※紹介に途中までのネタバレが含まれています。また、2017年1月時点に書いた内容です。
昨日、7巻発売でしたね
7巻はお兄さんフルスロットルで魅力全開でした。
天空の玉座、本当に最高に面白いです。
あらすじ
舞台は中国の架空の王朝です。
主人公 珊瑚は名門 姫家の姫。
生まれてすぐ政敵に家を滅ぼされてしまいますが、幼い珊瑚だけは兄の計らいで逃がされ、庶民として育ちます。
貧しいながらも幸せに育った珊瑚でしたが、ある日、兄が彼女を迎えに来ます。
姫家は全員処刑されたはずでしたが、兄 蓬莱だけは宦官となるかわりに死刑を免じられていたのです。
宮廷は華やかで最初は夢見心地の珊瑚。
でも実は皇帝は傀儡、姫家を滅ぼした皇太后 娘娘が牛耳る熾烈な権力闘争の場。
珊瑚もその争いに巻き込まれ、様々なものを得て、そして失い、戦う道を選ぶ…というお話です。
レビュー
これはもう本当におもしろい、ともかくお話がおもしろいのですよ!
歴史ものが好きな友人にすすめると、実際に読んでくれた人のうち「本当におもしろかった!」と言わなかった人はゼロです。
怒涛のストーリー展開
架空の王朝の物語ですが、中国の歴代王朝をモデルにお話が作られているようです。
宮廷を牛耳る娘娘と傀儡の皇帝という基本的な設定はおそらく清末の西太后と光緒帝がモデルで皇帝のクーデター未遂は戊戌の政変がベース(たぶん)。
序盤、皇帝の病已、妃の知花、珊瑚の仲良し組はキャッキャウフフとしていてかわいらしいし、蓬莱もお気楽に見せててコミカル。でも、さりげなく人がバンバン死にます。
策略を張り巡らせ、一歩踏み外せば待っているのは死。
その緊張感の上で物語が進んでいきます。
4-5巻のクーデター編は息もつかせぬ展開で、物語に圧倒されます。
特に二人の宦官の対決は超ド迫力。
電子で買って12インチぐらいのタブレットで読んでほしいです。
華やかな世界で苦悩するキャラクターたち
娘娘の支配の中、キャラクターたちは葛藤を抱えて生きています。
宦官組
お兄さんや李崑崙など宦官組はちょっと想像つかないぐらいの壮絶な人生ですよね。
強制的に自分を変えられて、その日より前にはもう絶対に戻れない。
他の宦官のみなさんも、結構屈託なくていいところもありそうな感じですが(悪いこともいっぱいしてるが)、みんななぜ宦官になったのだろう。
どの人も背景は険しそう。
一方で、宦官になって良かったと言う人います。
苦しみもあった一方で、宦官になったからこそ得られた喜びもあった人生だったからです。
逆を言えば、蓬莱や崑崙は華やかな世界に居ても満たされず、宦官として生きてきた人生を肯定しきれずにいるんだと思います。
蓬莱や崑崙の修業時代の話はまだ描かれていませんが、今までどんな人生を経てきて、これからどうやって生きていくのか。
今後物語の中で描いてほしいです。
てか、このお話はフィクションだけど、実際に中国の歴代王朝には多くの宦官がいたわけですよね。
現実世界で宦官としての生きた人たちの人生に思いをはせずにはいられません。
葉麗卿
娘娘の姪であるがゆえに、妃にならざるを得なかった麗卿。
本当は蓬莱に憧れているし、身なりなんかどうでもよくて小説が好きなちょっとオタクっぽい女の子。
宦官組のようなショッキングな出来事はないにせよ、娘娘の駒として生きることを強制され、自分の大事なものを捨てながら苦しみながら生きています。
自分の書いた小説を蓬莱に読まれ、笑われてしまったシーンは辛かった。
自分が娘娘の駒でしかないこと、お飾りの皇帝のお飾りの皇后であること、頭がいいだけに、客観的に状況をみつめて諦めてしまっている姿は悲しいです。
ある意味で現代の日本人がとても共感しやすいキャラクターかなと思います
(宦官組はちょっと壮絶すぎて共感って感じじゃないので。。)
他にも官僚の譚嗣堂や珊瑚に使える女官長夫妻、乞丐など、力の弱い人たちもまた悲哀を感じさせます。
物語世界にトリップしてしまう壮麗な背景・華麗なファッション
映画のハリーポッター観てると、イギリス行きたいな~って気持ちになりますが、天空の玉座も読んでると、この世界に行ってみたいって気持ちにさせられます。
なんという壮麗な世界…。わたしは特に麻姑の研究所に向かう途中の風景と長城がすきです。
中国まんがをずいぶん描いてきたけれど、考えてみたら万里の長城は初描きでした。笑
— 青木朋 (@aokitomo_zZ) February 6, 2017
「天空の玉座」はつくづく世界遺産がよく出てくるな、と。
紫禁城がデフォルトで、万里の長城、頤和園(麻姑の住んでた離宮)、明清の皇帝陵墓、市街の資料に平遥古城… pic.twitter.com/rT6r3Qtbfg
なんというカラーの美麗さ…
「天空の玉座」9巻、本日発売!☆*.+°
— 青木朋 (@aokitomo_zZ) January 16, 2018
表紙は、彝族(いぞく)民族衣装の阿詩瑪(あしま)です。
宮中での珊瑚とお妃様たちの物語がメインで、モンゴルと雲南がちらほら出てきます。
よろしくお願いしますー‼︎https://t.co/g6qNvmCV7A pic.twitter.com/OMNkibSjk4
「天空の玉座」6巻、本日発売です!表紙はアルタン。描き下ろし、おまけページもあり。よろしくお願いします!☆*.+°
— 青木朋 (@aokitomo_zZ) June 16, 2016
秋田書店 https://t.co/DAcGuHFdEM pic.twitter.com/JSVgBLX0dy
娘娘やお兄さんのファッションもすてき。
「天空の玉座」掲載の「ミステリーボニータ」発売です。新シリーズ開始。いじめっ子・金鈴が大活躍(お笑い)。
— 青木朋 (@aokitomo_zZ) October 6, 2016
娘娘を見てアシスタントさんが一言「指にとんがりコーンしてるんですか?」
指甲套ていう清代のアクセサリーだよ‼︎
ヘアスタイルは大拉翅、服は旗袍。清末コーディネートしてみました pic.twitter.com/bSGott5zNU
紫禁城で印象的な白い欄干。龍とか鳳凰が彫刻された円柱型のやつ。日本でいう擬宝珠(ギボシ)。
— 青木朋 (@aokitomo_zZ) July 8, 2018
今回の原稿でアップで描いたので調べたところ、中国では望柱頭というらしいと知りました。
描くの大変なんでやめてほしい系パーツの一つだよね…(紫禁城は全パーツそうだけども) pic.twitter.com/zKnyGBZOjm
お部屋や小物もかわいいです。
「天空の玉座」掲載「ミステリーボニータ」発売中です。
— 青木朋 (@aokitomo_zZ) October 7, 2018
怒涛の展開!
娘娘のシーンの連続で、描くの大変でした…
よろしくお願いします〜☆*.+° pic.twitter.com/lJ9er1PUqR
「天空の玉座」連載中「ミステリーボニータ」発売しています。
— 青木朋 (@aokitomo_zZ) August 8, 2018
巻中カラーいただきました!皇帝の袞服(こんふく)姿の病已です。
元宵節(旧暦1月15日の祭日)が舞台で、灯籠と花火をたくさん描きました〜。 pic.twitter.com/yurwjcGlL2
画面の壮麗さ、可愛さ、美しさが本当にすばらしくて眼福です。
まとめ
もう本当に没頭して読んでしまいます。
今年のマンガ大賞とこの漫画がすごいの女編1位は天空の玉座にしてください。
それくらい私は好きです。
※※2019/12/17追記
☆DMMの電子書籍版だと初購入の場合、50%オフのクーポンが使えます。2019/12/27まで1~3巻が無料です。という事は、残りの4~11巻が1760円で買える!年末年始は『天空の玉座』を読んで過ごそう!
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