先日、マギ32巻のレビューを書いたんですが、その過程でマギってほんとに最高であることを再度実感しました。
素晴らしすぎて、胸が苦しい…。
なにがこんなに私を惹きつけるのか考えてレビューを書いてみました。
あらすじ
第7迷宮「アモン」の周囲に広がる町・チーシャンに住む若者・アリババは、御者のアルバイトをしながら「アモン」を攻略し大富豪になることを夢見ていたが、あと一歩を踏み出せずにいた。そんなある日、彼は「ジンの金属器」を探して旅をしているという、謎の少年・アラジンと出会う。彼の持つ笛に潜むウーゴくんの力を目の当たりにしたアリババは、アラジンに共同での迷宮攻略を持ち掛ける。
レビュー
✔ 失敗しても前へ進む強さ
マギの登場人物ってともかく苦悩しまくります。
メインキャラのアリババと白龍はとくに顕著ですね。
白龍に関しては、母に父と兄を殺され、ヘラヘラしてるっぽい適当そうな男にいろいろ負け、好きな女の子にもフラれ、手足を失って、堕転したあげく、内戦やってまで手に入れた祖国を追われるという、壮絶人生なのでもう悩むのが人生なんでしょうが...。
シンドバッドおじさんも最近は万能感に酔って思考停止ぎみですが、若い頃はばっちり苦悩してます。
みんなとことん自分が納得がいくまで悩み、考え、行動する。
で、大抵間違ったり失敗したりする。
でもマギの登場人物たちはみんなそこから一歩踏み出す勇気を持っている人たちです。
自分がダメなやつなんだって諦めてしまわない。
ダメな自分を認め、それでも自分にできることを探すため、前に一歩踏み出す人たちです。
そして、その強さが読者にも勇気をくれる。
特にアリババと白龍の対決の後、白龍がアラジンに語ったシーンからは力強いメッセージを感じます。
誰に認められなくても、幸せでなくても、自分で悩み考えた道をいく白龍。
わかる... わかるよ、白龍...
生きてく上で、必ずしもいつもうまくいくとは限らないじゃないですか。
アラサーともなれば、挫折の1つ2つあって、今の自分は学生の頃思い描いてた自分とはちょっと違う。
でも、誰になんと言われようと、自分の納得する道を選び、 例え失敗したとしても諦めてしまわないこと、前に進むことで今日までなんとか生きてきた。
だからこそ、それを肯定してくれる彼らに強く共感できるのです。
✔ 個の強さ、つながる強さ
マギって登場人物がみんなすごい孤独なんですよね。
基本的に自分たちは別々の人間で、どんなに一緒にいたって全て重なりあうことはないし、それぞれ違う役割を持って生きているとわかっている。
アラジンなんかは自分の進むべき道を探すために、一人で留学に行くとか言い出しちゃったりするし、一人で重大な秘密を抱えている。
白龍も親しくアリババやアラジン、モルジアナと付き合っていても、心の奥底を見せることは決してないし、自分の抱えている一番大きな問題には立ち入らせない。
なぜなら、それは自分が解決すべき自分の問題だからです。
自分は何者なのか?
自分の役割はなんなのか?
自分はどうなりたくて、今なにをするのか?
彼らはどんなに苦しくても孤独でも、自分の運命には自分で立ち向かって行きます。
こういった個のスタンスが非常に現実社会に近いんですよね。
一人暮らしアラサーOLはなんでも全部自分で解決しなきゃなんないからね…。
アルサーメンと戦ったりはしないけど…。
一方で、孤独で自立した個であるからこそ、自分の悩みや苦しみを分かち合ってくれようとする人がいるなら、それって本当にかけがえがない人になるんですよね。
これはマギの世界も同様。
お互いの苦しみに寄り添いあう、アリババ、アラジン、モルジアナ。
彼らはそれぞれがそれぞれの問題に向き合えるよう、助けてくれます。
そして、彼らはお互いを信じている。
そして、信じてくれる人がいるからこそ、彼らは自分で自分自身を信じることができる。
怖くても踏み出す勇気が持てる。
その姿を見て、また別の誰かが立ち上がる。
人と人がつながりあうことで、一人でいるよりももっと大きな力が持てる。
人と人が一緒にいる意味を教えてくれます。
まとめ
マギの魅力って突き詰めると人の強さを描いていることなんだと思います。
生きていて思うようにいかないとき、前に踏み出す強さ。
どんなに孤独でも、自分の人生に自分で責任を持って生きていく強さ。
そして、そうやって一生懸命生きているもの同士、支えあって生まれる強さ。
そんな強さこそが重要で大切であるというメッセージを感じます。
そして、その強さの先にあるものはなんなのか。
それは、『自分たちの工夫で前に進んだほうが自分を好きになれる』こと。
マギの力強さは孤独に生きるアラサーOLの心に力をくれるのよ。
マギ 31 (少年サンデーコミックス) | ||||
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