It's a rumor in St. Petersburg

アラサーOLです。主にまんがの感想を書こうと思っています。

Under the Roseの世界 背景知識

 

 

 

   Under the Rose(以下、アンダロ)、大好きです。最近キンドルで連載してるんですね。既刊最新刊(2018年12月現在)の10巻の続きがすぐ読めるようになっているの、気づきませんでした。みんな、今すぐkindle unlimitedに入って全部読んで絶望しよう!

 

  

   それが呼び水になって一気に読み返したら、「あれ?この人こんな能力があるの?」とか、「あ、ここ伏線」とかがあり、総合して「あれ、この話、私が今まで理解していた話とちょっと違う…」ということに気がつきました。ウィリアムに亡霊がみえる能力あるとか、気づかなかったよ。なんかもっと観念的な比喩なのかと思ってたら、思いっきりみえる人なんじゃん。

 

   さておき、このお話、物語で扱っている時間も長いし、登場人物も多いし、バシバシ伏線張ってるし、時代背景も今と違うし普通に読んでたら全然追いつけないことに気がつきました。そこで、そこらへんをちょっとまとめてみようかと思います。ネット知識の寄せ集めですが、自分が読んでいてもうちょっと知りたいと思った下記のトピックについて調べてみました。

 

  • Under the Roseの時代
  • ・身分と上流階級

    ・使用人の中の上下関係

    ・貴族の仕事

    ・みんなの年収

    ・ファッション

 

   まとめついでに考察も書いているのでよければ読んでください。

www.anastasia1997.tokyo

Under the Roseの時代

 お話の中では時代や年代について正確なことはなにも出てないんですよね。

    3巻のミスピックとの言い争いの中で、ビクトリア女王の時代と言っていることと、マリーが女医であること、ご婦人方がバッスルスタイルのスカートを履いていることから19世紀後半、1980年代くらいかなと思っています。だとすると、シャーロックホームズのシリーズ第1作「緋色の研究」の出版が1887、切り裂きジャックの登場が1888年なので、同時期ですね。同じくビクトリア朝を舞台にした「黒執事」も同時期です。イギリス貴族を取り扱ったドラマ「ダウントン・アビー」は1912年のタイタニック沈没から物語が始まるので、約30年ほどあとの話ですね。逆に、ちょっと前に感想を書いた映画「メアリーの総て」はフランケンシュタインの出版が1818年ですからちょっと前です。

 ウィキペディアからの引用なんですけど、この時代は産業革命により経済の発展が成熟に達したイギリス帝国の絶頂期だそうです。

 

 

 

    アヘン戦争1840年イギリス領インド帝国の成立が1858年ですので、イギリスが世界中でブイブイやってた時代ですね。そういえば、ウィリアムの部屋に中国の家具があったり、モルゴース伯母さまの夫がインド貿易をやっていたりというあたりも時代を写していると言えますね。産業革命や世界中の植民地から集めた富により、大英帝国が繁栄を極め、それを謳歌した時代であったわけです。

身分と上流階級

 イギリスは現代まで変わらぬ階級社会です。王族・貴族・平民という身分の線引きがきっぱりとあります。

    アンダロの世界では王族はほぼでてきませんが、貴族・平民というのははっきりでていますね。

 基本的に、イギリス貴族は長子1人のみが爵位を継承できるものであり、それ以下の子供たちは平民なんだそうです。なので、ロウランドでもウィリアム以下実は平民で、こういう爵位を継げない次男以下をヤンガーサンというそうです。

 もちろん平民といっても貴族の子供ではありますから、メイドや従僕といったいわゆる使用人とはまったく違う生活ではあります。ただ、領地をもらえるわけではないので、軍人になったり、弁護士になったり職業をもって身をたてる必要があったそうです。ハウスパーティーに参加していたボルドローさんは本人は医者でお兄さんが子爵とのことですから、まさにそういう人ですね。

 一方、この時代は産業革命により富を得た平民というニューリッチ層が増えた時代でもあります。6巻で噂話の中で登場するムア家も貴族ではなく、資産家という表現でした。また、アメリカ人も上流階級に受け入れられ始めたとの記述もあります。同様にビクトリア時代を取り扱った「エマ」では、ニューリッチ層が貴族社会に受け入れられず苦労する話もありました。

 上流階級の人間とはいえ、爵位があるということと、貴族の子弟であるということと、資産があるということは全く別のことのようです。

使用人の中の上下関係

 アンダロの世界では主人と使用人で強い線が引かれています。ウィリアムを見るに、使用人に対して人権という概念は全くなさそうですが、実はその使用人の中でもはっきりと上下関係があったようです。

    詳しく書かれているHPを発見しました。

 

 ヨーロッパ貴族の爵位、軍隊の階級、メイド・執事の種類などのまとめ | 想像人の部屋

 

以下、抜粋&アンダロ対比です。

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自分の意志で主人(雇用者)を選ぶ自由はあったが、当然ながら主人と対等な人格を認められることはない。基本的に住み込みフルタイム。人数としては女性使用人の方が多い。

細かく見れば大量にありすぎるので、代表的なものだけ。

 

アッパー・サーヴァント(上級使用人)

ランド・スチュワード(ロージ)

全使用人の長。主人の領地の管理をする役目なども行う。屋敷にランド・スチュワードがいない場合はバトラーが兼任していた。ただし、スチュワードは日本語訳では「家令」又は「執事」と翻訳されることが多いので、バトラーとの区別が困難な場合がある。

 

ハウスキーパー(家政婦長)(マージ)

ナニー、ガヴァネス、レディーズ・メイドの三者を除く、台所担当及び全ての女性使用人を管理・統括した。ただし、ハウスキーパー自体はメイドではないので注意。メイドより格上の最上級職業。尊敬の印として独身であっても常に「ミセス○○」と呼ばれていたとのこと。

 

レディーズ・メイド(侍女・腰元)(名前は出てこないけどアンナの実家からついてきた侍女さんたち)

別名ウェイティング・ウーマン。女主人の寝室での世話、衣装選びや着付け、髪結いや旅行の準備など全ての事柄に気配りをした。また、女主人がディナー・パーティーや舞踏会に出席すると夜遅くまで起きて待っていなければならなかった。女性使用人の中では別格の位置付け。

 

クラーク・オブ・ザ・キッチン(厨房係)名前はでてこないけどキッチンににいる人たち)

食糧を調達し、肉屋、パン屋、食料品雑貨屋と値段を交渉する。ハウス・スチュワードがこうした商人への支払いをあてがう手持ち資金を支出し、注文はコックから定期的に出された。

 

ヘッド・シェフ/コックアイザックに料理を教えてくれてるコックさん)

一般には女性のコックが雇われていたが、大きな屋敷には男性のシェフがいた。女性の料理人はハウスキーパー同様、独身であっても常に「ミセス」の尊称付きで呼ばれていた。キッチンの最高責任者

 

ヴァレット(従者、近侍とも)(ウェルズ、ロザリンド)

主人の行き先に常にお供し、主人服装に気を使い、履物までも注意した。朝は主人を起こすことから仕事が始まり、主人が寝るまで仕事は終わらなかった。常に主人の気持ちを素早く察する必要があった。

 

ナニー/ナースメイド(アンナにいじめられてお乳がでなくなっちゃった乳母やローズ)

乳母。貴族の女性は子供を産んでもすべてナニーに任せきりだった。

 

ガヴァネス(ミスピック、グレース、レイチェル)

住み込みの家庭教師。中流階級出身の女性はガヴァネスとコンパニオンしか仕事が無かったので、ガヴァネスは常に供給過剰状態だったとのこと。

 

ロワー・サーヴァント(下級使用人)

フットマン(従僕)(レイチェルと一緒にウィリアムの看病した人とかたぶんそう)

バトラーの直接の配下にいた。仕事内容はランクによって異なり多岐にわたる。

 

ハウスメイド(メアリやくるくる前髪のメイドや巻毛のメイドなど)

いわゆるメイド、一般女中とも。仕事範囲は広い。部屋係や食卓係のメイドはその立場にふさわしい名前を持つべきものとされ、本名はどうあれジェーン、メアリ、イーディスといったメイドとしてふさわしい名前を屋敷では名乗ったらしい。

ハウスメイドのうち一番序列の高いメイドをヘッド・ハウスメイド(メイド長)と呼んでハウスキーパーの代行を担わせることもある。

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 上記に基づくと、ロウランドでは、ロージ・マージ・ウェルズ・コック・レイチェル・侍女さんたちが上級使用人にあたるようです。(ただし、本編中では家庭教師は上級使用人に含まれていません。しかし、メイドより各上という扱いですから、上級と下級の間に位置付けられていると思われます)

 一方、メアリや巻毛、口の聞けない子、くるくる前髪、避妊を教えてくれた人等は下級使用人ですね。下級使用人のみなさん、結構な主要人物なのにほとんど名前が出てこないという…。主人は下級使用人の名前なんて知らないし、口にしないってことなんでしょうね。侍女さんたちがほかのメイドたちに偉そうなのも自分たちは上級使用人という自負があるからなのでしょう。

 ちなみに、Honey Roseでエリオットが言っていたスカラリー・メイドはいわゆる皿洗い用のメイドだそうです。駆け出しのメイドがなるもので、メイド社会の最底辺だとか。エリオット、ひどいな…。

 また、上記の一覧には出ていませんが、森番(ハモンド)とか使用人の世話をする下働き(くるくる前髪)などもいますね。使用人社会もきっちりとしたヒエラルキーのあるピラミッド社会のようです。

貴族の暮らし

 使用人の社会を見てしまうと、貴族はいいよね〜って思いますね。でも、アーサーとかかなり忙しそうです。ていうか、貴族だけど医者なの?モルゴース伯母さまも薬剤師なの?そもそも貴族のお仕事ってなんなのでしょう?

 

…調べてみたけど、あまりよくわかるものがありませんでした。

一番、近しい情報はYahoo!知恵袋の回答ですね。

 

detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

 

 この回答を参照すると、議員としての仕事、社交、領地の管理が主な仕事なのかな?社交って大変なんですね。確かに、私も昔は仕事のパーティーとかって楽しそう、ご飯食べたり世間話するだけで給料もらえるとかすごくいいと思っていましたが、今では最も嫌いな仕事の1つですね。めっちゃ疲れる。さらに、アーサーはプラスして医者の仕事もしていると。大変だな…。

 この医者という職業を持ってるのはどういうスタンスなのかよくわかりませんでした。

モルゴース伯母さまは爵位を継ぐ身ではないので、薬剤師ってことなんでしょうかね。

 

 

 

 ちなみに19世紀のイギリスでは医療業界において強い女性差別があったそうです。 男性として働いていた高名な医師が実は女性で性別を偽っていたことが死後発覚したなんて話すらあります。

    そんな中、1869年、エリザベス・ブラックウェル医師がロンドンに女子医学校を設立しました。マリーは女学校→奉公で医者になったようなので、この学校ができる前の世代でしょうか?とはいえ、女医というものが、差別を受けながらも受け入れられる素地があった時代ではあるのでしょう。

みんなの年収

 アンダロ、時々、お金の話も出てきます。メイドの年収とか、アンナの年金とかですね。このサイトにわかりやすくかいてありました。

 

通貨と物価について

 

以下、抜粋です。

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1ポンドは20シリングで、1シリングは12ペンス(ペニーの複数形)です。つまり、1ポンドは240ペンスに当たります。

また、特殊な単位として、ギニーがあります。1ギニーは21シリングに相当し、医師や弁護士への謝礼金として用いられています。現在の物価と較べて見ると、1ペニーは現在の日本円で、約50円に相当します。

ーーーーー 

 

 1ペニーが約50円だとすると、

1ポンド=20シリング=240ペンス≒12000円

1ギニー=21シリング=252ペンス≒12600円

となりますが、サイトによっては1ギニー1万2千円〜5万円までけっこう幅がありました。

 

シャーロック・ホームズ 補足事項

1ギニーは何円ですか? - ギニーとは、1813年ころまでにイギリスで発行... - Yahoo!知恵袋

 

 物価と比較して目安を算出する場合、同じものでも機械化が進んだ現代と多くを人力でまかなっていたビクトリア時代では単純に比較できないため、簡単に1ギニーいくらとは言いにくいのでしょうね。

 まあ、あくまで目安なのですが、今回は1ポンド3万円円、1ギニー3万1千円を目安として採用してみようと思います。いろんなサイトの間をとってというのと、1巻ではロウラントの女中の年収は約18ポンドと言っており、衣食住付きとはいえ流石に1ポンド1万2千円換算で21万円は低すぎない?と思ったためです。1ポンド5万円弱とすると、90万円弱で、こちらでもいいような気もするのですが、当時の格差社会を考えると、住み込み衣食住込みなら年54万円ぐらいでいいのかなという気がしたためです。

 さて、1ポンド3万円、1ギニー3万1千円とした場合、皆さんの年収はどれくらいなんでしょうか。こちらのサイトで当時の平均年収がまとめてありました。

 

イギリス19世紀初頭の階級別平均年収 | My Diary

 

以下抜粋、()内は1ポンド3万円とした場合の円換算です。

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1806年に公表された当時の主な階層の平均年収です。

貴族   8,000ポンド(2億4000万円)
紳士  1,500~3,000ポンド(4500万円–9000万円)
裕福な商人、銀行家    2,600ポンド(7800万円)
製造業者     800ポンド(2400万円)
裕福な聖職者    500ポンド(1500万円)
法律関係者    350ポンド(1050万円)
医者・文学者・芸術家    260ポンド(780万円)
将校 139~149ポンド(410万円-440万円)
借地農      120ポンド(360万円)
職人     55ポンド(160万円) 
農場労働者     31ポンド(93万円)

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 下がめっちゃ貧しいのは納得ですが、上もそんなに儲けている感がないですね。あくまで平均ではありますが…。貴族はまだしも、紳士だと現代のちょっといいサラリーマンくらいです。9000万円の人はともかく、4500万円の人は社交とかけっこう大変そうですね。

何百万もするドレスとかジュエリーとかそんなにポンポン買えなさそうです。あと、弁護士なんかも年収1000万円だと、そんなにすごくいい暮らしができる感じはしないですね。

というか割と現代に近しい感じの金額です。

 基本的には裕福な家庭の子弟がなるものでしょうから、実家からの支援を受けながら働くようなかんじなのかな。紳士かつ弁護士みたいな。

 グレゴリーが家族に法律家がいた方が便利、という理由で弁護士を目指していますから収入よりも家族のために働くみたいな感じかもしれません。

    医者や将校もけして高くないですね。

アーサー(医者)やグレン男爵(陸軍)が職業に従事する目的は収入には関係なさそうです。

 

 

 

 ちなみにアンナの年金学は年3千ギニーですから、9300万円となります。これはウィルが驚くのも納得ですね。

 また、6巻でアンナがマリー宛で提案した年金額2000でした。ポンドかギニーか不明ですが、ポンドだとしても6000万円です。これだけの金額がポンとだせることを考えると、アーサーの収入は平均の2億4000万円よりもかなり高そうです。貴族の中でもかなり裕福な層なのかもしれません。

ファッション

 昨日、ディズニーの映画「くるみ割り人形」を見てきました。物語の始まりはロンドンなのですが、女の子がバッスルきてましたよ〜。

    アンダロでは、結構、男性キャラがドレスについてあーだこーだいうシーンがありますよね。このサイトにわかりやすくまとめてありました。

 

ヴィクトリア時代におけるファッションの流行

 

1880年代の流行はバッスル!

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 スカートの後ろ側に膨らみをもたせたスタイルですね。グレン男爵夫人もグレースもおしゃれな人はみんなバッスルを着ています。ハウスパーティーのためにライナスが選んだレイチェルの衣装もバッスルでした。ちなみに日本の鹿鳴館でも着てる人めっちゃいます。

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 一方、アンナがはいているスカートはおそらくクリノリンと呼ばれるスタイルのスカートです。

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1860年頃流行したそうです。

10巻でヴィンセントに村のお婆ちゃんみたいと言われてしまってますね。20代前半、娘時代で時間が止まってしまっているアンナを象徴するスタイルなんですね。

 

 そして、下着も気になる…。

だってウィリアムとレイチェルってどうやってしてるのか疑問になりませんか?「え?服どうなってるの?」って時がある。

 この当時、女性はドロワーズという下着を着ています。ズボンみたいな形で、作中にもはっきりでてきますが、この下には特に何もはかないようです。なんか現代的な感覚だとスースーしそうなかんじです。

     実はこのドロワーズ、股の部分が空いています。

 

kakuyomu.jp

 

 3巻でウィリアムが女中を虐待しようとする際のやけど跡はドロワーズの隙間からのぞく素肌なんですね。

 そして二人がするときはスカートをめくるだけでペロンといろいろ出てくるわけです。ウィリアムとレイチェルって、ウィリアムが敢えて脱がしたときでなければほとんど体のどこも露出せずにしてるのか…。不思議…。

 

 めっちゃ長くなりましたが、私がアンダロを読むにあったてあれ?と思ったことを中心にまとめてみました。

他にもいろいろ気になることがあるので随時更新します。

 

******2019/1/9追記

考察記事を書きました。