『薔薇王の葬列』12巻の感想の続きです。
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リチャードとバッキンガム
この二人のいちゃつき、本当に尊いです。
ラストでは第一部のラストを迎えた場所でいちゃついてます。
ほんと、ヘンリーができなかったことをことごとくやってくれるのがバッキンガム様ですよ。
12巻では「なぜバッキンガムはリチャードを選んだのか?」というクエスチョンにリチャードが踏み込みます。
バッキンガムから答えはありませんでしたが、言い訳めいたモノローグがありましたが(ここ単行本の書下ろしですね)、これはあれですね?
一目惚れってやつですよ。
しかし、バッキンガムが答えなかったというところに良くないフラグを感じ取ってしまいますね。
もしかして、バッキンガムも最後までリチャードを愛していること言えないのでは…?
エドワード王子パターンなのでは…。
嫌だー!そんなの絶対嫌だー!!
死の間際に一目惚れを自覚し、夢の中で愛を伝えてリチャードがほほ笑むが、現実では伝えられないまま息絶えるとか絶対ダメ!
ふと思ったのだが、リチャードとバッキンガムが初めてあった時からバッキンガムは妻帯者なんだよね。
そしてリチャードも今は妻がいる。
あれ、この2人関係、世間でめっちゃ叩かれるやつじゃん。
そう言えば、ヘンリーにも妻がいたな?
エドワード王子にも妻がいたし。
薔薇王の世界観だと自分が愛している(かもしれない)相手が結婚してても全く問題にならないし、あの人には奥さんが…的な葛藤が一切発生しないのがすごい。
そういうレベルの話じゃねぇんだ!って気迫を感じます。
だからこんな事態が発生するのか…
リチャードとヘンリーとティレル
リチャードがバッキンガムを選んだ以上、ヘンリー&ティレルは用済みですね!
…んなわけないですね。
ティレルもしかして記憶戻ってないですか?
ティレルでなく、ヘンリーともう一度再開したらリチャードはどうなってしまうんだろう?
やっぱり、前回と同じ結末しか選べないんだろうか?
10年以上の歳月がたって、二人が別の結末を選べないのか、どこかで結ばれることはないのか、心のどこかで祈ってしまう気持ちがあります。
アンとエリザベス
アンとエリザベス、二人とも前夫を現夫に奪われた妻です。
現代日本で自分の夫を奪った人間と再婚なんてことになったら廃人になっちゃいそうな過酷な人生ですよね。
復讐を志して早々にエドワード王のもとに乗り込んだエリザベスと、10年以上リチャードとの冷え切った関係に苦しんできたアン。
今回の狩りは実は主役がこの二人とも言えます。
賭けていたのはそれぞれの人生。
エリザベスも夫を奪われた時から、自分の人生を生きることができずにいたのだと思います。
しかし、今回の女性二人の狩り勝負はアンの勝ちですね。
自分の欲しいものは自分で手に入れる、エドワード王子の言葉がよみがえります。
「この国と守るべき人達のために」と言っているところも、テュークスベリーの戦いの直前に王家の人間として、王家を守っていくという道を見出していたアンが自分の道を取り戻した気がしました。
まとめ
12巻はリチャードの意志が明確に打ち出された巻でした。
ラストシーン、ヘンリーを殺した部屋から光のさす外へリチャードは出ていきます。
その日からずっとリチャードをがんじがらめにしていた茨は王冠への道を照らすたいまつになり、バッキンガムとケイツビーを従えて部屋を出ていく。
あきらかに、過去との決別を象徴してますよね。
ちなみに12巻の続きは発売中のプリンセス9月号で読めます。『薔薇王の葬列』が表紙だよ!
13巻はほのぼの平和な展開がみたいな!(ありえない)
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