It's a rumor in St. Petersburg

アラサーOLです。主にまんがの感想を書こうと思っています。

【レポとは言えないレポ】マンガバルセロナ 『薔薇王の葬列』考察トークショー

 引き続き、マンガバルセロナ(Manga Barcelona)のレポートです。

 

 

 最終日11月3日午後は、『薔薇王の葬列』翻訳者であるアナ・カロさんによる『薔薇王の葬列』考察イベントがありました。

 

 

登壇者はアナ・カロさん、菅野先生、担当さん、通訳さんです。このイベントもレポートしたいと思ったものの、基本的にスペイン語のみでの解説だったので、あまり内容がわからず、レポートと言えるほどのものは書けそうにありません。一部日本語で語られた内容やスライドの内容から理解できた部分もあったので、そのトピックについてのみ紹介します。以下、イベントで語られた内容です。特に記載がない場合、アナさんの発言です。

 

 

 

・『薔薇王の葬列』ではシェイクスピアのセリフのある部分をそのままセリフとして使っているのではなく、イメージとして使われている部分がある。
シェイクスピアではリチャード三世は良いイメージで描かれていない。近年リチャード三世の遺骨がリチャードの骨は駐車場の下から発見された。
・『ジョーカー』という映画はリチャード三世と少し似ている。

 

・連載第1回のカラーページについて(↓のカラーです)


アナさん:先生はこのイラストが好きですよね?
菅野先生:好きです。一番最初に描いたものです。
アナさん:前髪は(リチャードの最初のスタイルと)ちょっと違いますよね?どうして変わったんですか?
菅野先生:最初は本物のリチャード三世の髪型を意識していました。小さい時に片方を隠しているという設定だったのだが、その期間が少し長くなりました。それは担当さんがこういう髪型が好きだからもうちょっとこのままでいてほしいと。
アナさん:ネタバレなんですけど、今はちょっと髪型は違う(スペインでは2019年11月時点の既刊8巻)この髪型には意味があります。

 

・リチャードとヨーク公のキスシーンについて
アナさん:個人的な印象として『ハムレット』では父王の亡霊は城壁に現われるところを思わせる。(スライドにハムレットと亡霊が出会うシーンが映される)

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ハムレットと亡霊

リチャードも父を殺されている。城壁に登って光を見つける。光はヨーク公
菅野先生はこのシーンは好きですよね?
菅野先生:好きですね。最初はキスすることは考えずに描いていました。でもキャラクターがそうした。

 

・オフィーリアとリチャード

アナさん:26話のカラーはオフィーリアを思わせる(スライドにミレーの『オフィーリア』の絵が映される)

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ミレー 『オフィーリア』

菅野先生:オフィーリアを意識して描きました

 


・第3話 森でリチャードとヘンリーが出会うシーン

アナさん:北極星を中心にして、空が渦巻くように描かれている。太極図のようにヘンリーとリチャードも対になるように渦型に描かれている。性別・色彩も対になっている。(スライドに太極図が映される)これはわざと?

 

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太極図

菅野先生:それは意識してそういう構図にしました。

 

 最後に菅野先生からは今回のイベントに参加して、スペインで読者やファンに会うことができ、アナさんの考察を聴くこともでき、大変うれしく、意欲がわいたとメッセージがあり、イベント終了。私が理解できた部分はごく一部でしたが、今まで全く気が付かなかった内容への言及があり、とても面白かったです。うーん、スペイン語がわかれば...!!残念...!!

 

 

 

 ちなみにこういうイベント、日本だと登壇者の皆さんを拍手でお迎えして、拍手でお見送り、その後、聴衆も解散という流れが多いと思うのですが、マンガバルセロナでは特に登壇者の方向けの特別な動線がないんです。イベントが始まる前のまだ会場がガヤガヤしている時に、登壇者の方がやってきて準備をし、イベントが終わると観客がガヤガヤしている中、登壇者の方も荷物をまとめて退場されるという。そうすると何が起きるかというと、会場出たすぐ横のロビーで先生方や担当さんが普通に立って談笑されてたりするんですよ。いや、そんなのめちゃくちゃ凝視してしまいたいじゃない!?話しかけちゃったりしたいじゃない!?しかし凝視はマナー違反だし、あんまり話しかけられても鬱陶しいかなと思い、欲望をぐっと我慢して足早に会場を立ち去りました。一度お声がけしようものなら、その後つきまとってしまう...そんなの願うだけでも罪だ...