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アラサー学生です。主にまんがの感想を書こうと思っています。

【おすすめ】『青野くんに触りたいから死にたい』~繊細な細工が施された精巧な物語

青野くんに触りたいから死にたい』、ひっさびさにびっくりするぐらいドはまりしました。
私の中の好きな漫画ランキング、ここ数年上位の作品がずっと変わらなくて、上弦の鬼状態だったのですが、日の呼吸の使い手あらわる。
高校生の話で、絵柄もかわいいのでほのぼの系だと勝手に思っていたのですが、全然違いました。
このお話は人の強い感情を描いた物語で、緻密なミステリー。
このお話の中には精巧に作り上げられた完璧な城が埋まっている。

全然違うお話なんだけど、『僕だけがいない街』が好きな人は絶対好きだと思います、このお話。

 

 

 

あらすじ

主人公・優里ちゃんはちょっとずれていて、思い込みの激しい高校二年生。
隣のクラスの青野くんを好きになり、突撃告白の結果、付き合えることになりますが、青野くんは2週間で事故で死んでしまいます。
しかし、死んだ青野くんはなぜか幽霊となって優里のもとに戻ってきてくれます。
二人は幽霊と人間なりに再び仲良く付き合い続けます。
しかし、徐々に優里や周囲に不可解な出来事が起こり始めます。

公式サイトから第一話が試し読みできます。

おすすめのポイント

繊細な細工が施された精巧な物語

このお話は霊や呪いといった超常現象を取り扱っているのですが、無秩序に起こったように思える出来事にも、実はそこに明確なルールとロジックがあります。
伏線がばっしばしにひかれてて、思いもかけないものが最後のピースとなって、最後のピースをはめた瞬間、ガラッと世界が変わる系のお話が好きな人は絶対好き!好き!好き!

なぜ青野くんは死んでしまったのか。
なぜ青野くんは幽霊となって戻ってきたのか。
優里はいったいなにを捧げているのか。
捧げるとはどういうことなのか。
青野くんに触りたいから死にたいとはどういう意味なのか。

読者としては、まだ何もわからないんだけど、実はもうすべて知っていて、ただそれに気づけていないだけなのかも知れない…そんなかんじです。
『黒い家』が好きな人も絶対好きです、このお話。

 

 

 

読者の感情を喚起する物語

ホラー成分強めです。漫画で怖いって本当にすごいと思う。
おどろおどろしい音楽もなく、登場人物の悲鳴も聞こえず、血も白黒で描かれているし、グロ描写もあまりないのに怖いです。
なんで語尾に「~」がつくだけで怖いのだ。
なんならちょっとかわいくなってるはずなのに怖い。
ホラー的な意味での怖いって日常であまり感じることのない感情ですが、自分にそういう感情があることを久々に思い出しました。
怖いという感情は特にホラーが苦手な人はネガティブに感じてしまうと思いますが、物語に引き込まれて感情が喚起されるというのはある種の快感が伴うように思います。
主人公と一緒に悪に憤ったり、仲間の死を悲しんだりする時って、感情的にはネガティブだけど物語自体はものすごく楽しんでいる時だったりするし。
これだけ怖いのはこの物語にものすごく引き込まれているということだと思うのですよ…

強い感情の行方

人の強い感情の発露みたいなものが描かれている作品だと思います。
私は優里ちゃんと姉の翠ちゃんとの対決のシーンがとても好き。
優里ちゃんが真っ赤になって、歪んだ顔で翠ちゃんに迫るシーンは胸をぎゅっと掴まれたような気持ちになりました。
また、タイトルでもある「青野くんに触りたいから死にたい」。
ここまで極端ではありませんが、恋愛的な欲求を満たすためには命を捧げちゃってもかまわない子って一定数いると思います。
そして、そういう強い感情に殉じるのはきっと幸せだったりもするのだろうと思います。
私自身は、今現在は優里みたいなタイプではないけれど、優里の存在にはものすごくリアリティーを感じています。
現実ではたいていの場合、振り切れた想いみたいなものはどこかでブレーキがかかったりするものだけど、「青野くんに触れたいから死にたい」という想いはどこにたどり着くのかなと、それが物語の大きな主題なのかなと思って読んでいます。
あと、青野くんと優里ちゃんの恋愛的な創意工夫はとてもおもしろいよ~!

 

 

 


ともかくともかく、この作品は本当におもしろいです!
お願いです、みんな読んでください。

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