**考察に必要な範囲でネタバレがあります。
『青野くんに触りたいから死にたい』1~6巻の考察③です。
前回のエントリ
- 目次
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1. 青野くんの種類
・普通の青野
・黒青野くん
・異界の青野くん
・チビ青野くん2. 青野くんの変化
・異界の青野くんと異界の変化
・黒青野くんの変化
・普通の青野くんの変化
・優里の変化3. 四ツ首様が暗示する死者と生贄の関係
①雨乞いの儀式
②子供たちのおまじない
③優里と青野くん4. 青野くんの正体(妄想)
※赤文字の箇所がこのエントリで記載されている内容です。
3.四ツ首様が暗示する死者と生贄の関係
四ツ首様のエピソードは最終的に優里と青野くんの関係を解消する鍵となる話なのかなと思っています。
蒼太と生贄たちの関係は青野くんと優里の関係にそのまま置き換えられるし、蒼太のケースが解決できるのなら、優里と青野くんのケースに摘要できるのかなと。
本来の雨乞いの儀式と小学校に伝わるおまじない、子供たちが行ったおまじない、優里と青野くんの関係について対照表を作ってみました。
ハイライトしている個所は実際に起こっていること・おそらく確定だと思われることです。
白い箇所は現在のストーリーから今後起こると予想されることです。
①雨乞いの儀式
四ツ首様のおまじないは雨乞いの再現であることが美桜ちゃんから説明されました。
棚石で首を斬り、懴悔懴悔六根清浄と唱えながら、村人たちが加々智山へ登る。
そして生贄の首を投げ入れる。
そうすると死者が神かかった力を持ってよみがえり、滝を浄化し、雨を呼ぶ。
②子供たちのおまじない
子供たちが棚石でおまじないをした結果、蒼太の幽霊がよみがえります。
子供たちがそれぞれ、牛(結菜)・馬(大翔)・犬(希美)の寿命を捧げているのではないかと美桜は推理しています。
そして、夏祭りの日、「お友達」が現われ、生贄を加々智山へ運んでいきます。
この時、結菜は「懺悔懺悔六根清浄」と「お友達」に追い立てられます。
一方、希美は、希美自身が「懴悔懴悔六根清浄」の現代語版「ごめんなさいごめんなさい反省しています」と言っているのですよね。
「わたしはそのたくさんの人達の全部だったの」とも発言しており、希美は生贄を捧げる側のように思えます。
チビ青野くんが希美の発言に「君は正しい」と言っており、この言葉はもしかして「たくさんの人達の全部だった」に指しているのかなと思います。
③優里と青野くん
①と②にみられる生者と死者の関係を優里と青野くんの関係にあてはめると、優里ちゃんが自殺未遂をして血が出た瞬間が儀式の開始の合図だったのかなと思います。
その後、黒青野くんがちょっとずつ優里ちゃんの命を受け取っていくにつれ、異界の月は徐々に太っていき、夜が更けていく。
②で夏祭りの夜は満月の夜ですよね。
優里についても満月の夜、最後の儀式が行われることが暗示されているのかもと思います。
そして、夜が明けた時に儀式は完成する…?
子供たちと優里の共通点は生贄であること。
黒青野くんが四ツ首様について、「たかが畜生だよ!君の方がずっと良いものだ!!」と言っています。
牛・馬・犬を捧げて、死者がよみがえるのであれば、人を捧げると何がよみがえるのか?
青野くんの正体は人以上の何かなのかもしれないと思います。
4.青野くんの正体(妄想)
これはもう完全に妄想の域なのですが、青野くんの正体って、赤根滝の龍神なんではないかと思っています。
「加々智」という言葉は蛇の種類をさす言葉でもあるそうで、蛇と龍というのは時に同一視されることがあります。
龍神が住む山が加々智山と名付けられているなど、この作品の中でもある程度同一のものとしてみなされているのかなと思います。
また、4回目の憑依で優里がみつけた怪物や子供たちがみている青野くんの姿、あれもなんか龍っぽいような気がする。
黒青野くんと普通の青野くんのビジュアルがどんどん変化していっていますが、特に黒青野くんのファサファサの髪、龍のたてがみみたいだなと思ってみています。
ついに牙まではえてますし…
トランス状態の黒青野くんと「お友達」状態の蒼太、トランス状態の希美は目が似てますよね。
いつも捧げものを要求するのは黒青野くんで、受け取ると普通の青野くんに戻る。
黒青野くんは生贄を普通の青野くんに捧げる係で「お友達」に近い役割だったりして…とちらりと思ったりしています。
また思いついたことがあったら適宜考察エントリを書こうと思います。
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