※※感想を書くのに必要な範囲で物語・歴史ネタバレあります。
2020年7月、『天上恋歌 ~金の皇女と火の薬師~』1巻発売です。
「天上恋歌〜金の皇女と火の薬師〜」連載中「ミステリーボニータ」発売しています。
— 青木朋 (@aokitomo_zZ) July 6, 2020
7月16日に1巻発売!
ということで、巻頭カラーを描かせていただきました。
単行本カバーデザインも載ってます。
よろしくお願いします〜☆*.+°#ミステリーボニータ#天上恋歌 pic.twitter.com/HDgyTpO4BK
うわーーーーーん!!嬉しいよーーーーーーー!!!!
『天空の玉座』が2019年1月に完結して以来、約1年半、この日をずっと待っていた!!
嵐のBelieveの歌詞並みにずっと待っていましたーーー!!!
そして今作もめちゃくちゃおもしろいです。
嬉しい、私、ただ嬉しい…
あらすじ
『天上恋歌』の舞台は今から約900年前の中国・宋です。
同盟国・金の皇女であるアイラは親善大使として兄と宋を訪れますが、その道中、刺客に襲われて兄とはぐれてしまいます。
そこを助けてくれたのが、宋の花火職人・凛之(りんし)。
アイラは凛之に一目ぼれしてしまいますが、凛之にその気はない上、アイラには宋の皇子・康王との縁談も持ち上がっており、彼女の恋は望み薄。
乙女の恋物語と宮中の政治物語が同時進行で進んでいきます。
第1話は公式HPから無料で読むことができます。
感想
やばい時代のやばい物語はじまる
青木先生の前作『天空の玉座』は架空王朝・徳の物語でしたが、今回は実在の王朝・宋が舞台です。
そして、主人公・アイラは金の皇女。
宋。金。
すごい不穏な感じしますね。
前提知識なしで読みだしたのですが、この二国間って金が宋の都を占領して、宋の上皇と皇帝を拉致した世界史に残る激やば事件とかあったよなー、みたいなことがまず頭をよぎりました。
受験の時、1127年(いいつなわたり)靖康の変って覚えたなー。
アイラのお父さんが金を建国したのが8年前ということは、物語の時間は西暦1123年。
めっちゃ前夜じゃん。
もう絶対この国やばいことになるじゃん。
このお話、アイラの恋愛パートやアイラを取り囲む金の人達、凛之さんや凛之さんの周りの人達はすごい普通な感じです。
家族としてお互いを思いやったり、同僚・ご近所づきあいしたり、現代的な感覚でみても自然に思える感じ。
一方、宋皇室パートはみんなきれいで表面上は温和なんだけど、絶対やばいやつらなんですよ。
皇帝、話が食い違ってるんだよ、なんなんだよ、お役目って!!
なんで宋の国内で敵国の刺客が現れるんだよ!!
帝姫、さらっと毒を盛るな!!
でもこのギャップがいいんですよね。
今はアイラも金の一行も仲良く楽しく暮らしてる。
でもすぐ先の未来には世界史に残る事件が待ち構えていて、それに向かって物語は既に動き出していて…という不穏さをひしひし感じるわけです。
この少しずつ不穏と混沌が忍び寄ってくる感じ、これがたまらないのです。
やばい時代のやばい物語開幕!!という感じの1巻です。
闇が深そうな宋皇室のみなさん
康王・帝姫兄妹が好きですね~~。
この二人、外見が特に似てるけどお母さんも一緒なのかな?
帝姫のシンプルな(つまり質素な?)服装、にぎやかな席にでない、などは事情がありそうなかんじ。
彼女はかなり抑圧されたものを抱えていそうです。
アイラに水仙を送るシーン、アイラの素直さやその背景にあるであろう周りに大事にされてきた環境が妬ましかったのかなあと思いました。
康王もかなり鬱屈としたものを抱えていそうな感じがしますが、彼の場合、そこがまたいい。
彼が意外といい奴だったら嬉しいけど、想像以上に悪い奴でもたぶん私は嬉しいです。
金サイド&凛之さん
ウジュお兄さんかっこよいですね。好き。
妹をかわいがっていて、強くて素直な感じでかわいい。
アイラも素直でかわいいです。好き。
本当に十代の女の子という感じで、初めての海外旅行(?)を楽しみにして、でも差別的なことを言われたり、うまくいかなくて…みたいな感じは、がんばれ!がんばれ!って応援したくなっちゃう。
凛之さんのあのひょうひょうとした感じもいいですよね。好き。
アイラに対する対応がかなり冷たいけど、まあそうだよねって感じがする。
そして、メガネの使い方!ってかんじですね。
彼はじわじわ面白いです。
アイラと凛之さんが「蛮族」についての考え方を話すシーンが好きです。
この言葉はこの作品の中でひとつのキーワードなのかなと思いました。
美しすぎる絵
表紙のアイラめちゃくちゃきれいですよね。
ヘアスタイルやゴージャスなアクセサリーがすごいかわいい。
現代的な感覚でみてもすてきだなあって思います。(そういう風にアレンジしてるのかな?)
作中でアイラがきているドレスもとてもかわゆい。
そして宮殿があまりにも複雑で繊細で美しすぎる…!!!
こういう画面をみていると、やっぱり中国いいなあ…行きたいなあ…って思います。
青木先生の前作読んで実際に行ってしまいましたが…
あと、凛之さんの山小屋!!
植物や鉱物の書き込みがなんてなんて繊細なのか…
画面を観ているだけで幸せです。
まとめ
1年半ぶりの青木先生の新作が読めて、おもしろくて、私は本当に嬉しいです。
新たな推し作品の誕生にひれ伏すしかない。
ちなみに1巻の続きは2020年7月発売のミステリーボニータ8月号ですぐ読めます。
めちゃくちゃかっこいい新キャラが出ておりまして、さらにお話がおもしろくなっており、発売日に10回くらい読み返しました。
幸せ!!!
青木朋先生作品関連エントリ