※※感想を書くのに必要な範囲でネタバレがあります。
プリンセス2020年10月号掲載の『薔薇王の葬列』66話、3か月ぶり連載再開!!
最終章突入!!って感じがしてきました。
リッチモンドが怖いよ~~
本日月刊プリンセス発売です!めちゃくちゃ素敵で爽やかな「亡国のマルグリット」表紙が目印。
— 菅野文【薔薇王の葬列】14巻9/16発売 (@kanno_aya) September 3, 2020
お久しぶりの薔薇王連載再開&カラー扉。
そしてちょうど誕生日の人。
よろしくお願いします。 pic.twitter.com/IRPXdBcMzg
感想
「王の名」は
65話はリチャードへの母からの呪いが、66話は父からの呪いが前面にでていた感じがします。
リチャードは母のようにはなりたくなくて、父のようはなりたい、というか、父が生きて果たせなかった人生を代わりに自分が生きなくてはならないと思っているのかな、と思いました。
確かに、ヨーク公が王位についていれば、彼こそが「リチャード三世」だったんだ…
リチャードがそこまで王位にこだわる理由って何だろう、とわりとずっと思っていたので、すごくしっくりきました。
ヨーク公から彼の名をもらい、彼に代わって「リチャード三世」となったリチャードには父に代わって王の名を轟かすという動機が常にあるんだな、と。
冒頭の光が差し込むヨーク公の横顔、訪ねた教会で騎上から振り返るリチャードとちょっと重なります。
そういえば1巻を読み直していたら、ヨーク公の方も、戦場でリチャードの声が聞こえたとか、お互いがお互いの中にいるような感じがするとか言ってるんですよね。
この二人ってちょっと不思議なつながりがそもそもあるんだな~と思い出しました。
それってどういう事なんだろう。ちょっと不思議な感じ。
ところで、冒頭のヨーク公、なんかちょっと悪い顔をしていないですかね?
1~2巻ごろのヨーク公って、美しく気高く堂々として家族に愛を注ぐ理想的な人物っぽい感じがします。
これってたぶんリチャードフィルター、父親をとても尊敬する子供目線だと思うのですが、フィルター外した時のヨーク公ってどんな人だったのかな。
2巻を読み直したら、一人称俺の時があって、この人でも俺っていうんだ…とか思ったり。
まあ、言うかな、あんな状況なら…
原案の『ヘンリー六世』でのヨーク公って、野心ギラギラのアンビシャスヨークって感じだと思うんですが、その部分がリチャードを縛る茨としてのヨーク公に引き継がれているのようにみえました。
両親が与えたそれぞれの呪いがリチャードにとって本当の茨で、ここから自分を解放できるか、みたいなことが彼の最後の試練なのかなと思いました。
教会のシーン
教会のシーン、かっこよかった~。
リチャード、物静かな感じが雰囲気があっていいですよね。
本当にこの人、内省的な人だよな…
それにしても久しぶりにリチャードがエドワード王子のことを思い出してくれて、本当によかったです。
今のリチャードにとっては、エドワードは子エドの父で、アンの前夫って存在なのね。
まあ、二人は一緒に暮らしている家族なわけですから、その二人の方が身近に感じるのは当然でしょうが…
でも、あなたとエドワードの間にはもっともっともっといろいろなことがあったの!!覚えてないかもしれんけど、川におぼれたリチャードを助けてくれたりとか、ブローチをもらったりとか!!
純粋無垢な顔しやがって…!!みたいな気持ちが抑えきれないです。(誰に対して…)
ブローチが再発見されるまであとちょっとって感じ。
亡霊たちが闊歩している世の中ですから、そろそろエドワードもリチャードの夢枕とかにたってほしい。
バッキンガムについて
なんかもう目がキマっちゃってますよ、この人。
65話の語りぶりでは、討つべきは「リチャード三世」であって、リチャードではないのかなと思っていたのですが、66話の感じだと本当にリチャード自身を討ちかねないなって感じ。
それはそれでぐっとくるものがあるけど…
でも、リチャードを自分の手で暗殺したら、バッキンガムも生きていけない気がする。
そんなことになれば、自分が拒絶した相手に殺される、そして殺した方も少なくとも魂が死ぬという、第1部と同じ終わり方を役者を替えて迎えることになる気がする。
でも、綿密に計画を練っているあたり、「リチャード三世」の死後のことも考えているわけで、ってことはやっぱり殺すのは「リチャード三世」ってことなんだろうか~などとぐるぐる考えております。
ところで、バッキンガムが言う「救い」と「愛」ってなにを指してるのだろう。
リチャードについては、リチャード自身の生死はさておき、リチャードを「王の名」という茨から解放することかなと思うけど、それとティレルの救いはどう関連するのでしょうか。
(まさかのランカスター派が復権するよ、よかったね!ってこと?)
そして、それがバッキンガムにとっての「愛」になる意味とは?
この二人は今後どうなってしまうのだろう…
ふと思ったこと
- 新王はまだ子供という民衆の声、これはどういうことだろう?エドワード五世と混同している?
- ランカスター派を担ぐなら、わざわざ手土産もってリッチモンドとか頼らなくてもヘンリー六世がご存命で…
- いろいろググってたらとても面白いブログをみつけました。
グロスター公リチャードの野望 | 沙翁百人一句 (シェイクスピア百人一首かるた) ー シェイクスピアの名言、名台詞 - 今回リチャードがヨーク入りしたであろうヨークの城壁の門・Micklegate Bar;
この門の重要な役割は、王室の訪問を歓迎したり、裏切り者の首を飾ったりすることだそうです。『薔薇王の葬列』ではこれで両方達成…
今号は最終章スタート!!という感じで、ここから物語が超加速していくのかなあと思います。次号重大発表なんだろう… 9月は14巻も発売になるし、今後も楽しみです。
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