※※感想を書くのに必要な範囲で物語・歴史ネタバレがあります。
2020年12月、『天上恋歌~金の皇女と火の薬師~』2巻発売でした。
発売日に本屋さんに買いに行ってきました~。
2巻の表紙は凜之さん。イケメンだ…!
いつものじわじわおもしろい感じの凜之さんとちょっと違う!!
「天上恋歌〜金の皇女と火の薬師」2巻発売!#天上恋歌ミニ色紙
— 青木朋 (@aokitomo_zZ) December 15, 2020
タグつけて感想をつぶやいていただいた方、抽選で5名様にミニ色紙をお贈りします。
12月末しめきり、1月末発送…くらいのイメージ。
タグつけたのにこのアカウントから「いいね」されなかったらご連絡くださいませ。→ pic.twitter.com/m7BGSh2ZHG
感想
2巻はともかく円珠姫の背景が衝撃的で、一気にお話にひきこまれました。
1巻を読んだ時には、彼女が華やかな席にでられなかったり服装が質素だったりするのは、お母さんの身分が低いのかな?とか後見となってくれるような人がいないのかな?と思っていました。
しかし、それが実は…、ということですごく衝撃的でした。
もう、この事件、円珠姫ショックって呼びたいですよ、私。
円珠という子は皇女ですし、基本的には身分的にも金銭的にも恵まれている人なんだと思います。
でも、彼女には自分の人生を自分で決める権利はなくて、社会的な考え方とか枠組みといった大きな力に押さえつけられている人です。
この時代の宋では例え皇女であってすら、道徳という大きな力の前に個の力はほぼ無力で、受け入れられないまま、苦しみながら生きていくことを強いられています。
そういう人の苦しみ、悲しみを丁寧に丁寧に描いているお話だなと思いました。
簡単に理解しやすい衝撃的なトピックで人の苦しみを表すのではなく、人が抱える背景や関係性を丁寧に描くことで、その人の抱える絶望の大きさを描いているのは青木先生の作品全般に通じていると思います。
もちろん、円珠に起こったことにしても、青木先生の他の作品で起こった数々のできごとにしても衝撃的で悲劇的なことは多いのですが、それは単純に出来事が悲劇だから悲しいのではなくて、そこに至るまでの個人の生活やキャラクターたちの関係性が踏みつぶされていくから悲しいと感じるんですよね。
そういう部分に私は強く惹かれています。
その他思ったこと
- お兄様Sかっこよすぎ
オリブお兄様かっこよすぎですね。シスコンでも好きっ。ウジュお兄さんのいいお兄さん感もほんといい。一方、康王もいろいろありそうだけど、いいところもあって非常に好きです。かっこいいし… - 2巻は月下で踊る円珠と皇帝がめちゃくちゃ華やかに「困ったな~」ってしてるシーンが美しくて大好きです。皇女の結婚式も壮麗で美しかった…
「天上恋歌〜金の皇女と火の薬師〜」掲載の「ミステリーボニータ」発売中です。
— 青木朋 (@aokitomo_zZ) August 7, 2020
宋の姫・円珠のおはなし。
編集さんとアシさんから「皇帝の笑顔がコワい」と最高の感想をいただきました。
冒頭の結婚式の服は、仁宗の慈聖光献皇后図を参考にしました→#天上恋歌 pic.twitter.com/etlmA3mmRA - あいかわらず凜之さんがじわじわとおもしろいです。
- これから確実に訪れる混乱の時代の直前って感じがいいです。今の(それなりに)平和な感じにはタイムリミットがあるって感じの緊張感がたまらないです。
- 青木先生の前作『天空の玉座』を読み返していたら、8巻のあとがきに「火薬は唐代に中国で発明されて宋代から軍事利用」って書かれてたんですよ。そういえば、2巻で凜之さん、本人否定してますが、軍事担当に異動してますよね。つまりこれって、将来的にアイラと凜之さんは敵同士になる可能性があるってことでは…!?愛し合う二人が戦うのって私の3大性癖のひとつなんですが、その日がくる…!?
2巻、ともかく1巻からさらに加速してお話が面白くなっています。
先の展開が本当に楽しみです!
青木朋先生作品関連エントリ