※※考察に必要な範囲でネタバレがあります。
考察というほど、たいしたものじゃないんですが…
「共に地獄へーーー!」って最終回のセリフで入っていた時にうおおおおとなったので、以前まとめてみたモチーフのリフレインについて、最後までまとめてみようと思います。
『薔薇王の葬列』では2部60話から、1部で起こった出来事と非常に近しい出来事が同じ流れで起こっているように思えます。ただし、その出来事にかかわる人が少しずつ違ったり、同じ人物であったとしても彼らの考え方が変わっているために結果が少しずつ変わっていきます。まあ、そんなようなことを以前のブログに書きました。
当時はお話が途中だったのでまとめも途中で終わっております。そして、迎えた最終回、1部の終幕と同じモチーフがぼんぼんぶっこまれていて、なんかもーテンション上がっちゃいました。そして、以前の表の誤字脱字など直しつつ、最後までまとめてみました。
いやーーー、最終話、いい!!
1部でヘンリーの元を訪れたリチャードはヘンリーに自分の秘密と愛を打ち明けて、共に死ぬことを望んでいたわけです。これは積極的に死にたいんじゃなくて、もう生きていたくない、生きているのが彼にとってそれだけ辛いということだと思うんですよね。だけど、2部では王として自分が望んだ居場所としてリチャードは戦場を選ぶわけです。その結果として命を落とす可能性が高かったとしても、自分らしく生きるためにリチャードは戦場にいく。もう、ここで本当にありがたい気持ちになる。今のリチャードなら天翔龍閃が撃てる。
戦場では裏切者が出たりもするわけですけど、リチャードのために死地で戦ってくれる臣下もいる。「もう何もかも消えてしまった」「残ったものはただ俺の罪だけ」って言っていた頃のリチャードではもうないんですよね。そして、リチャードもそのことがわかっている。そして、「手に手をとって共に地獄へーーー!」と号令をかけるわけです。「共に地獄へ」って1部と全く同じセリフなのに、最終話では本当に力強い一言。
1部ではヘンリーから呪いの言葉を言われます。そしてリチャードも真に受けちゃう。これもヘンリーから言われたということもありつつも、根柢のところで自分自身がそう思っちゃってる。だから、愛しているヘンリーに言われるのが何よりつらい。でも、最終話では「どれ程世界が嘆こうと」「神がどれ程否定しようと」と最後まで覇気を失わず、戦い続ける。そして最後にリチャードは自分自身を本当に受け入れる。もう、ほんとすごい…
ラスト、”リチャード三世”はボズワースで戦死するわけですが、ケイツビーがリチャードを連れて戦場を離れていく姿が描かれています。もう本当に妄想なのですが、1部のラストでもヘンリーの命を救ったのはおそらくケイツビーだと思うんですよね。であれば、王としての人生を終え、新しい人生を得たティレルのように、リチャードにも新しい人生が待っていると信じたいです。
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