It's a rumor in St. Petersburg

アラサー学生です。主にまんがの感想を書こうと思っています。

【感想】大奥 各キャラに思うこと②

続きです。

 

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田沼意次

物語中盤のスーパースター。個人として報われることはなかったが、燦然と輝く存在。この人の強い思いとリーダーシップがその次の時代を開いたと思う。中島みゆきの命のリレーが聴こえてきそう。

 

平賀源内

このお話の中で一二を争う好きなキャラクター。誰よりも早く赤面疱瘡の真実にたどり着いた人。最期は自分を裏切ったパートナーに沿われて、明るい嘘を信じて退場したが、本当はどこまでわかっていたんだろうなと思うと切なくなる。黒木さんがこの人の亡き後に、こんな時、源内だったらどうするか考えたと言っていて、多くの人にあらゆる意味で影響を与えた人。

 

菊之丞

この人と源内の顛末はBASARAの太郎ちゃんと八千代を思い出す。とても相手を好きだとしても、魔が差す瞬間がある。悲しいなと思う。

 

青沼

子供の頃から自分の国で異物として扱われ、どれだけ孤独だったかと思う。つらい人生だったと思う。後半の阿部正弘のところでも出てくるけど、苦難の多い人生であっても意義をみいだせたなら受け入れられるということかもしれない。あまりに些細なことがこの人の生きるよすがだったことは涙が出る。一方で彼の功績は実に大きく、実際の社会でも歴史に名前が残らなかったとしても、青沼のように社会に大きく貢献した人たちはきっとたくさんいるのだろうと思う。

 

伊兵衛

ドラ息子から赤面疱瘡の根絶チームの担い手に。最後まで残るのが黒木さんと彼なんだなあと思うと人の一生というのは不思議。

 

イ喜助

上様に歯向かったのは見事。若き日、見かけがかわいいらしい。

 

黒木

よくがんばった。赤面疱瘡根絶のためのバトンを受け取った人。やるべきことをやり終えて幸せな最期を迎えられてよかった。

 

徳川家治

賢くて美しい良い時には良い将軍ではあったんだと思う。人の真価は苦境の時にこそ出るものということかしら…

 

五十宮

心根の優しい人。身分の高い人でも愛されている人でもそれぞれの悲しみがあるんだなぁと思う。好き。

 

 

徳川家斉

サイコパス治済に詰問されている時に茂姫が助けに来て、その後二人で食事をするエピソードはいつ見ても泣けてしまう。この人にとって幸せな時期は心から信頼していた御台所を失ったときに終わってしまったのだろうなあと思う。子供の教育をしっかりしろ。

 

茂姫&お志賀

つらい人生だったと思う。茂姫は最後まで家斉の御台所として役目を全うしたのは見事。田沼意次失脚〜赤面疱瘡根絶のあたりのエピソードは高橋景保を含め子を失った母たちの物語でもあると思う。

 

サイコパス治済

死ね!早う!死ね!!(間部詮房がのりうつりました)

 

松平定信

この視野の狭さ、一方、最後に見せる度量、リアリティのあるキャラクターだなと思う。良い家に生まれ、勉強ができて、普通に優秀な人ではあるんだと思う。だけど15歳のお嬢さんとして優秀なことと、国家を導くリーダーとして優秀なことは違うよね。田沼意次や治済と渡り合うにはあまりに未熟だった。あまり克明には書かれていなかったけど、最後のあり方を見るに、長い年月の中で彼女もいろいろな変遷があったのだろう。あと20年早く生まれていれば、また違った立場だったろう。かなり好き。