It's a rumor in St. Petersburg

アラサー学生です。主にまんがの感想を書こうと思っています。

【感想】サトリ令嬢の見透かせない感情(小説版&コミカライズ版)

Xで流れてきたコミカライズ版の広告から流れるようにコミカライズ版を全部読み、原作小説も読んでしまいました~。

すっごいおもしろかった~!

 

 

読み終わった後も何度も読み返しちゃう。

もう主人公カップルがともかくかわいくて、いちゃいちゃを読んでると幸せです。

ちなみに私はコミカライズ版はコミックシーモアで全部課金したのですが、そのあとにアマゾンアンリミテッドの該当タイトルだったことを知りました。

原作の小説もアンリミテッドにあったので、小説版はアンリミテッドで読みました。

 

18世紀くらいのヨーロッパみたいな世界観で、基本的には魔法とかファンタジックなものはない感じなんですけど、主人公のアダリーズは人の心が読める特殊能力を持っています。

彼女は貧乏男爵家のご令嬢なんだけど、ひょんなことから公爵家の兄妹と知り合い、兄のディートリヒにめちゃくちゃ執着されているんですね。

ディートリヒは名門の貴公子で眉目秀麗、頭脳明晰、将来有望で令嬢方が群がるような方なわけですが、その実、かなーーーり、アレな思考をを持っている人で…

そして人の心が読めるアダリーズにはそれが全部筒抜けで…

という感じの二人がちょっとずつ惹かれあっていくという感じのお話です。

 

もうね、私はディートリヒのこのかなーーーりアレな思考が超大好きなんですよね。

パーティーでアダリーズを見つけたときに、貴公子然として優雅に話しながら、

小説版では(ふらふらと色気振り撒いてんじゃねぇよ、犯すぞコラ!)

コミカライズ版は(また色気をふりまきやがって…俺に抱かれたいのか?)(美麗ドアップで)

とか考えているわけですよ。

この残念な感じというか見た目とのギャップがたまらない…

要所要所でつっこまれるディートリヒの残念思考が妙につぼにはまるというか、楽しくて好きです。

これは実際こんな心の声が始終聞こえてきたらたまらないと思うのですが、物語の場合は読者にはディートリヒがアダリーズを大好きでたまらないことがよくわかってるからかわいく思えるんですよね…

ちなみに私が一番好きなディートリヒ妄言(妄思考)は王女殿下がいらっしゃった公爵家のお茶会での、「失敗して慌てている。失敗する度、秘密のお仕置きをしたら楽しいだろうな」です。

これは実際は妄想の中の妄言なのですが、言いそ~~!!(笑)(笑)(笑)って感じです。

 

と、エッセンスがありつつ、本筋は人の心と向き合うこと・信じることをテーマに据えた王道のラブロマンスであり、やはりそこが面白いから、こういうエッセンスがすごく楽しくかんじるんだろうなと思います。

アダリーズは人の心が読める分、人と距離ができやすいし、その人の心の声がその人の本心としてそのまま信じてしまう部分がある。

でも、人の心ってその人自身でもわからなかったりするもので、表面的な思考と本心が違うこともある。

ディートリヒは名門の跡取りとして育てられ、アダリーズの前ではアレな思考を開陳しているものの、基本的に人に隙を見せず、なんでも疑って先回りして考えることが当たり前になっている。

この二人は実はよく似ているんですよね。

素直に人の心や言葉を信じられない二人が心を通わせていく、その時に大切なものは何かというお話なのかなと思います。

冒頭に出てきてかなり示唆深い考え方だなと思ったのが、アダリーズのおばあさまの教えで「その人の価値を決めるのは『心の声』ではなく『行動』なの 良い考えでも悪い考えでも口に出して『行動』をしなければそこに意味はないのですよ」とという一言です。

これがこの物語のキーとなる考え方なんだと思うけど、普通に生きていてもそれはそうだなと思わされるというか、至言だな…と思いました。

 

ちなみに私はアダリーズのお父さんとお兄さんがかなり好きです。

お父さん、娘のことを大好きすぎてかわいい…

あとお兄さんのスペンスもボヤっとしすぎててかわいい…

とくにコミカライズ版は二人ともキャラデザからしてかわいい…

お父さんが揺り椅子をキコキコやってるのとかかわいい…

ディートリヒのセリフがちょっと違ってたり、挿絵とコミカライズのキャラクターの雰囲気がちょっと違ってたり(と私は感じた)するんですが、コミカライズはコミカライズの魅力があり、小説は小説の魅力がありって感じでどっちもすごい楽しいです。

まもなく発売されるコミカライズ1巻を私は買うことでしょう。

そしてアマゾンアンリミテッドをやめるときには普通にキンドルで小説も購入することでしょう。

そして、ちょっとネットを探ってみたところ王女様のスピンオフもあるようです。

マリリス王女、かなり素晴らしすぎる王女で、立派すぎてすごい好きです。

これも探して読みます。