It's a rumor in St. Petersburg

アラサー学生です。主にまんがの感想を書こうと思っています。

黒革の手帖(2004年版)レビュー ~武井咲ちゃんが美しすぎるので~

 

 

 

www.tv-asahi.co.jp

 

 武井咲ちゃん版(2017版)黒革の手帖、めっちゃ面白いですね!わたし、米倉涼子さん版黒革の手帖(2004年版)が最高に好きだったんですけど、2017年版も最高に素晴らしくないですか。

 

 

    ところで、今、2004年版を見返してるんですけど、「あれ?なんか昔と印象が違うな?」って思うとこが多々あるんですよね。2004年当時、私10代だったんですけど、そのころ理解できてなかったところがけっこうあったんですが、今みると理解できるようになっててドラマから受け取るメッセージが違うからなんだと思うんですけど。

    2004年版をリアルタイムで見てた頃、私、ひたすら仲村トオル米倉涼子のラブシーンが好きだったんですよ。仲村トオル版の安島さんまじでかっこいいですよね。普段はクールで飄々としつつ、ラブシーンでは情熱的だし、ピンチには必ず助けに来てくれる。支店長が店に押しかけてきたときに、支店長を投げ飛ばした瞬間のかっこよさ、もう私も吹っ飛びそうですよ。そして、警察を呼ばないで、事情があるのと言う元子に「見ればわかるよ」と一言返すクールさよ。13年たっても色あせないかっこよさですわ。でも今回みてたら、その前のシーン、元子がアイスピック振り回しながら啖呵をきるシーンのが印象に残るんですよね。

 

「なにが男の一生よ!窓際だって男の一生には変わりないじゃない!」

「私は掴んだものは二度と離さない。反省もしないし、謝罪もしない。とっとと帰れ!」

 

 

 

 

    いや、昔もこのシーンみてかっこいいとは思ってたんですが、今みるとかっこいいだけじゃなくて、米倉版元子の必死さみたいなものをすごく感じるんですよ。髪を振り乱して、アイスピック振り回して、たった一人で自分よりも強い相手(この場面の場合は体力的にね)に立ち向かっていくところがまさに2004年版における元子を象徴しているな~と。2004年版てなんていうか、すごく雑に言うと「女の自立」みたいなものがテーマだったのかなあ。

 

「誰の囲われ者にもならない」「自分の店っていいものよ」「所詮あなたは操り人形」「自分の力で上へ」「誰よりも強く自由に」

 

    ここら辺の元子のセリフ、10代の頃は全然わからなかったんですけど、今は何言ってるかわかりますね。誰かの力を借りたら、その誰かのいいなりにならなきゃならない。誰よりも強く自由にあるために、決して誰も愛さないし、囲われたりお店を買ってもらったりしないというのが元子のポリシーなわけなんですよね。男に人生を左右される母をもったからの考えなんだろうかしら。

    ほんで、波子と市子という2人の女性が元子と対照的に登場する。市子は自分の力で生きる元子をまぶしく思いながらも、男への未練を断ち切れない。一時は楢林と別れても、また、自分の意志で楢林の愛人へ戻っていく。また、波子は元子とは対照的に、欲しいものは人に買ってもらうわけですよ。男に貢がせりゃいいと思ってて、そのためにある程度自由が拘束されるとかはたぶん構わないんですよね。うまく男を操って自分の望みをかなえることがうまい生き方と思ってる。

 ところで、黒革の手帖って女同士の戦いが見どころと言われてる気がしますけど、2004年版てあまり女同士で戦ってなくないですか?たぶん女同士の戦いって波子との戦いを指してるのかと思うんですけど、波子ってレベルとしては長谷川とか楢林先生の使い者だし、元子が主に戦ってるのって長谷川とか楢林先生のレベルだし、レベルが違う感じがする。2004年版は元子以外の女性は男性の添え物ポジションで、元子一人が男のレベルのリングで戦ってるという感じがします。

 まーそんな感じで2004年版は強い意志を持った女が強く自由に生きるために、髪を振り乱しながら必死で戦っていく話なんだなあと思ったんですよね。全てを失いながら、転がり落ちながら、それでも必死に戦う姿、戦い続ける姿が本当にいいんだなあと。

 

 

 

 ラストの安島さんとの別れのシーン、昔は理解できなかったんですけど、あのシーンもまたいい。特に、別れを告げた元子に安島が縋るシーンで元子が安島に放つ、「私に愛人になれっていうの?」の一言。象徴的だなと思いました。未練や年月の重みを断ち切れず、愛人に戻っていった市子もいるわけです。安島の都合の良さを決して許さない強さ、愛人でもいい、あなたが好きってならない、それを自分に許さない強さが元子の強さなんだろうなあ。

 2017年版についてもいろいろ書きたいんですけど、まだ序盤なんでそんなにかけることがないですが、武井咲版の元子は米倉版に比べて軽やかでミステリアスな感じがします。楢林先生に抱きすくめられても余裕の笑顔、妖しく笑いながら恐喝を進める武井咲。意味ありげな目の動きにゾクゾクしちゃういますね。楢林先生が50万円か?といった瞬間、鼻で笑うシーンがかっこよすぎる。5000万円は波子の店のの権利を放棄すれば払えるでしょとファイナンスの指導付き。今のところ安島さんの影が薄いので、今後の登場が楽しみ。武井咲ちゃんすごく好きになりました。来週もまじで楽しみです。

 

第1話

第1話