It's a rumor in St. Petersburg

アラサー学生です。主にまんがの感想を書こうと思っています。

【感想】『大奥』第73・74回 MELODY2019年10月号・2020年2月号

※※感想を書くのに必要な範囲でネタバレがあります。

 

メロディの電子版やっと買えました~。
今月は少し発売日が遅かったのね。
『大奥』、クライマックス間近、次回最終回でもおかしくない感じです。
長く愛読してきたシリーズだけに寂しいな。

【電子版】メロディ 12月号(2019年)

【電子版】メロディ 12月号(2019年)

 

 

 

 

家茂の最期の言葉

家茂と和宮の絆に号泣でした。
家茂の最後はあまりに若く、自分の家に、家族のもとに帰りたいという叫びはあまりに悲痛。
数えで20歳なら現代ではまだ10代なのに。
この物語では全ての登場人物に登場と退場があり、必ず誰かが誰かを置いて先立ち、誰かが誰かを見送ります。
人生の若くて健康で楽しい時だけを切り取るのではなく、年を経て老いていくのか、もしくは若いまま去っていくのか、良い時も苦しい時も舞台から退場するまでの長い時が描かれているのが、『大奥』の偉大なところだと思う。
どの人にもそれぞれのドラマがあるね。
瀧山と天璋院さんが昔の話をちょこっとしたしたシーンがお気に入りです。
いつもすました感じの天璋院さんが激高したシーン、いいよね…

降り積もる年月の重み

それにしても瀧山さんも年をとりましたね。
今や大奥最古参。
13巻の表紙で阿部様と一緒に笑っていた若き日が懐かしく思い出されます。
13巻の内容は2015年くらいに連載されていた内容なので、実際5年くらい前の話で、読者である私も年を取っており、リアルに歳月を感じてもいます。
多くの人を見送ったように、大奥という舞台にも瀧山さんが幕をひくんだろね。
呉服の間の池谷のように、長く生きる中で生き残った者同士のやり取りには慰められます。
2020年2月号のラストで慶喜が将軍になってしまったので、残された時間はきっとあとわずかです。

 

 

 

遥かなるときの中で

家光の時代があって、太平の世を迎え、綱吉や吉宗の世があって、田沼意次が現われる。
そのもとで医療の発展があって、幕末を迎える。
大きな社会の流れの中で、個の人生やその人生の中で起こる喜びや苦しみなんてなんの関係もない無為なものなのかも知れないけれど、その集積が実は社会をより良い方向に変えていくのだと思います。
無為にみえる様々なことがきっと実は世界の進歩にに貢献しているのかもしれない。
役割を終えた人物や機能は時には無慈悲な形で舞台から退場していくけど、それは決して無意味なことではないのだと思います。
ある日突然、革新が訪れるのではなく、様々な人生や試行錯誤が積み重なって歴史が紡がれていく。
そう思うと、生きることや年を取ることに少し希望が持てるような気がします。

 

はー、ひしひしと終幕が近づいていることが感じられて、すごい寂しい… 

王妃マルゴ』が終わって、『進撃の巨人』と『薔薇王の葬列』も終わりが近くて、『大奥』も終わりそうとなったら、私はどうしたらいいんだ…

 

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【電子版】メロディ 2月号(2020年)
 

 

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