It's a rumor in St. Petersburg

アラサー学生です。主にまんがの感想を書こうと思っています。

アナスタシア千秋楽が感慨深いな〜と思う話

ミュージカル『アナスタシア』、2023年梅芸版も明日で千秋楽だ。先月、東京で幕が上がって以来(休園日はあれ)ほぼ毎日アナスタシアが上演されていて、観に行った人の感想が流れてきて、私もできる限り観に行ってみたいな感じで本当に夢のような期間だった。

 

www.anastasia-musical-japan.jp

 

この『アナスタシア』という舞台には私自身の個人的な思い入れがなんとなくあって、その舞台がこうして無事千秋楽を迎えそうなことに一人で勝手に感銘を受けている。

もともと子供の頃から原作のアニメ映画が好きだったのだが、2018年頃、ブロードウェイでミュージカル化していることを知った。よし行こう!!と思ったのだが、その時、ちょっとドタバタしてる時期で具体的な計画がたてられず。しばらくすると、日本で上演するというニュースが流れてきて、すごくテンションがあがったのをよく覚えている。それで続報を待っていたのだが、続報では日本での上演は2020年の年明けというスケジュールが流れてきた。2019年から留学することを決めていたので、絶対ムリだと思って悲しかった。その後、実際に留学したわけだけども、2020年の年明け頃から世界的に新型コロナウイルスが大流行し、当時私が住んでいた国でも猛威をふるい出した。アジア人が少ない地域だったので、歩いていたりメトロにのると露骨に避けられたりすることも増えるようになった。学生寮に住んでいたのだが、大学が閉鎖されだすと学生たちも実家に帰りだし、いつも混み合っていた共用のバスルームやキッチンもガラガラ。私のフロアは私しか住んでないみたいな感じになったので普段はできるだけ早く済ますようにしていたシャワーもバスタブにお湯をためてゆっくり入ったりした。その時の自分以外の物音がなにもしないシーンとした感じ、ちょっと忘れられない。

まあその後なんやかやあって、3月下旬に私も日本に帰ることにした。いろいろ将来の展望はあったのだけど、そうはもう全部断念していったんおわらせるって感じだったので気持ち的にもわりとしょんぼりした感じだった。

で、帰る前にいろいろ必要なものを買い出しに街に出たんだけど、いつも超超超にぎやかな街がシーンとしてほとんどのお店のシャッターが降りていた。日本で言うところの銀座と新宿を混ぜたような場所だったんだけど、その街がこんなに静かなのかと思うと悲しかった。

さらに、明日は帰国という日に大臣が緊急の声明を出すからみんな夜テレビをみろみたいな情報が回ってきた。ついに具体的な行動制限がかかるんじゃないかという憶測も流れて、そんなんなったら明日私空港に行けるのだろうかみたいな不安もよぎり心配してたんだけど、結局は単に不急不要の外出は控えてくれみたいなかんじだったので、翌日ちゃんと空港には着いた。

空港も新しくて大きくてその地域のハブ的な空港だったんだけど、ここもまた灯りも消えてるしお店もしまってるし。悲しいな…と思ってたら、なんか通路で知らない日本人にばったり出くわしちょっとお話ししたりした。みんなここでの生活をやめて日本に戻るんだなって思った。なんつーか、全然重さが違うけど、アーニャたちがロシアを出国する前の気持ちがなんかわかるような気がする。空港でごく一部のカフェが空いていたのでそこで最後にその国のビールを飲んでから出国しました。この頃のことはなんかセンチメンタルによく覚えていて、当時心配してくれた人は私のほんまにありがとうリストに入っております。ほんまにありがとう。(バチェラー3)

そんなこんなで敗北感にまみれ、追い立てられるように日本に帰ってきたわけだが、日本についたら成田はすごい検疫とかやってるんだけど、空港出たら普通にコンビニがあってファストフードがあってみんな灯りがついていてシャッターがあいていて。何だこの国はとか思ったけど、すごい安心したのをよく覚えている。

で、それが3月後半なんだけど、家についてこの先どうしよ〜とか思いつつ、私は最初に思った。アナスタシア観れるじゃん、と。いや〜隔離の対象国じゃないし観に行くのは問題ない…でもこのご時世、海外から帰ってきて観劇はどうなのよ!?とか思っていたらアナスタシアの上演中止が決まった。そしてその後日本もバタバタとコロナ禍に渦中に落ちていった。帰ってきた日のあの安心も消え去ったのであった。

まーその後なんやかやあって、私は留学先でやろうと思ってたプランをほんとうに断念して(なんとか戻れんかと思ったけど現実的に考えると無理だった)日本で再就職し、今は当時想像もしていなかった仕事をしていて、その仕事をアップグレードするために資格の勉強なんかしちゃっている。これが3年という月日か〜と思うわけである。そして、あの時観ることができなかったアナスタシアは再演され、今度こそ完走して千秋楽を迎えようとしている。なんつーか、私にとっても古き日の夢が完全に締めくくられたような気持ちになるわけである。私にとっても「アナスタシアは夢だったのだ」って感じでなんかこの作品そのものが私の中で一つの時代を象徴しているような部分がある。この長ったらしい文章はアナスタシアに対する思い入れなのか?って感じだが、でもやっぱりこの作品が明日、千秋楽を迎えるときいてなんか感慨深い気持ちになるのであった。

 

www.anastasia1997.tokyo

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