※※旅行記を書くのに必要な範囲で、『薔薇王の葬列』、『リチャード三世』、史実ネタバレがあります。
「父上… 俺の光ーーーー」
『薔薇王の葬列』2巻より
城門に晒されたヨーク公の首を手に取り、口づけするリチャード。『薔薇王の葬列』序盤の名シーンです。実際に1460年にウェイクスフィールドの戦いで戦死したヨーク公リチャードの首は領地ヨークの城門に晒されました。あの壁は現代でもあるのかなあ…と思いイギリス北部の都市・ヨークを訪問してみました。
ヨーク駅から歩いてすぐ現れる城壁と城門。壁はありました。この城門はMicklegate Barと呼ばれ、現在では内部はヘンリー七世ミュージアムとなっています。そしてヨークの街をぐるりと囲むこの城壁の反対側にはMonk Barと呼ばれる城門があり、なんとそちらには我らがリチャード三世のミュージアムがあるのです!(知らなかった)
リチャード三世エクスペリエンスセンター
Monk Barのにはリチャード三世エクスペリエンスセンターがあり、リチャードの人生や薔薇戦争の経緯についての展示がされています。特にチュークスベリーの戦いまでの内容が充実しています。『薔薇王の葬列』でいうなら第一部7巻まで、シェイクスピアで言うならヘンリー六世の内容ですね。それ以降についてはヘンリー七世のミュージアムで特集されています。
エドワード兄上がランカスター派を破ったタウトンの戦いのジオラマがあったり、かなり凝った内容です。
各将のフィギュアもある。
リチャードの装飾のレプリカも。
おお、本格的だ…
さらに、上階に昇ると子供向け?なのか、そこにはたくさんのゲームが…
なんだここは!楽しい!!
子供向けにリチャードの人となりを紹介したパネルも。
Q:リチャード三世は本当に残酷だったのかな?
A:君が決めることだよ。
リチャードはヘイスティングス卿がリチャードを裏切ったと思ってた。
ヘイスティングス卿を夕食に招いて、口論になったんだ。
リチャードは言った。
『俺はお前の首が落ちるまで食事は取らない』と。
衛兵がホールに突入してヘイスティングス卿を外に引きずりだした。
そして、ちょうどいいブロックがなかったので、修理をしていた大工から木片を借りた。
次に何が起こったかわかるよね。
リチャードは晩餐を楽しんで、ヘイスティングスは楽しまなかったのさ。
紹介するエピソードにバイアスがかかってませんか…?
しかし、最後のパネルにはこんな言葉が。
「リチャードはおそらくイングランドで唯一ファンクラブがある王なんだ」
リチャード三世って現代だとかなり愛されてますよね。
ヘンリー七世エクスペリエンスセンター
Micklegate Barにはヘンリー七世のミュージアムがあります。こちらはヨーク公の首が晒された城門でもあります。リチャードとヘンリーのミュージアムの場所、逆にすべきでは…
ヘンリー七世の人生とチュークスベリー以降の薔薇戦争の顛末について展示されていました。そして相変わらず様々なアトラクションが…
あれ、あっちの部屋の隅になにか展示があるみたい…
父上の首ーーー!!!
ミュージアムショップ
リチャードの方はひたすらヨークと白薔薇推し。
さらに(おそらく)等身大リチャードがお出迎えしてくれます。
ヘンリーの方はチューダー朝推しで8世やエリザベス女王のグッズも置いてありました。
なんというか、全体的にリチャード三世のミュージアムの方が濃い感じです。展示にしてもお土産にしても。この二つのミュージアムは二つでワンセットなんですけど、HPのURLは https://richardiiiexperience.com/ なんですよ… ヘンリーどこに行ったの…
ちなみに夜はどちらもライトアップされます。
街ではパイを食べましょう。
薔薇王ファンが訪問するとかなり楽しい街だとおもいます。
余談1
ウェイクスフィールドの戦いから遡ること446年、ヨークはスヴェン王率いるデンマーク勢力の支配下にありました。
そうヴィンランド・サガ!!
ヨーク、第一部の最後の舞台となった都市です。
余談2
最近、方向性ブレブレのインスタ始めました。