大奥~~~~!!!
今まで『大奥』の感想は書いたことがなかったのですが、MELODY 2019年10月号を読んだら書かずにはいられないです。
空白の中の和宮
和宮と瀧山のやりとり、恐れていたことが現実になる瞬間の、素晴らしい迫力をもったシーンでした。和宮という人間を取り巻く世界が崩れ落ちる瞬間を見事に描いたシーンだと思います。今号の感想、本当にそれに尽きます。
寝所に瀧山が来る。和宮の存在を前に一瞬言い淀む。真っ白な背景とゆがむ和宮の表情。そして消えていく表情。自分がなによりも一番恐れていたことが起こったのだと察する。
全てが崩れてもう戻らない、もう二度ともとの世界は戻ってこない、その瞬間を迎えた和宮があまりにつらく、悲しいシーンでした。
瀧山さんはつらい
瀧山さんも辛い役回りですね。この後のことを考えても、幕末の大奥において全ての人を見送っていく役割なんだろうなと思います。バディも伊勢守→家定→天璋院とどんどん変わっていきます。最後は天璋院さんと瀧山さんが幕を引くのだろうな。
なんちゅうか、歴史ものの定めですが、終わりが見えていていつか必ず「その瞬間」がくるんですよね。特に『大奥』は連綿と続く徳川家の物語なので、全ての人物に必ず「登場」と「退場」があります。今までも何度も繰り返されてきたことながら、またこの瞬間が来てしまったかという感じです。私は2003年の菅野美穂&安達祐実版『大奥』で初めて大奥ものに出会った人間なので、家茂&和宮には特に思い入れがあるため、このあたりはつらいな〜。家光から始まった大奥もついに最後の将軍の時代まで来てしまいました。最後の瞬間がどう訪れるのか、楽しみですね。