It's a rumor in St. Petersburg

アラサー学生です。主にまんがの感想を書こうと思っています。

【感想】『薔薇王の葬列』64話65話 プリンセス2020年6月号・7月号

※※感想を書くのに必要な範囲でネタバレがあります。

 

『薔薇王の葬列』64話と65話の感想です。

はーーー、えらいことになりましたね、これは。
まさかのリチャード妊娠(疑惑)
65話の扉はお互いを茨で絡めあうガムリチャ。

リチャード、子供ができたことに対して「悪夢」なんてひどいのでは?と一瞬思いましたが、65話の具体的説明きいたら、確かにそれは悪夢だわ…と思いました。

 

 

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感想

心から望むもの

バッキンガムと共に暮らす愛情にあふれた生活よりも、本当に欲しいものは王冠だと言い切るリチャード。
私は『薔薇王の葬列』のテーマの一つに、運命に抗うリチャードというのがあるのかなと思っています。
リチャードの生きている世界や、その世界で運用されているルールはリチャードを迫害するものです。
その中で、それを受け入れて火炙りになるのか、そのルールの届かない場所へ逃げるのか、それともそのルールに抗うのか。
過去には森で生きることを選んだこともあったけど、今のリチャードはバッキンガムという半身を得て、運命に抗うという道を力強く選択しているわけです。
そう簡単に自分の生き方を変えられないよね、と思いました。

 

そういえば、10巻の誓約以来ずっとあらわになっていたリチャードの左目が最近再び隠れだしました。
リチャードの左目は片方だけ色の違う、セシリー曰く「ちぐはく」の目で、悪魔としてのリチャードを象徴している部分なのだと思います。
10巻以降、隠すのをやめたのは、「男女両方の性を持つ自分」「神の定めに抗う悪魔である自分」「悪魔でありながら神の代理人たる王座を求める自分」を受け入れたからだと私は思いました。
だから、左目を隠す・隠れるというのはリチャードにとって不安や抑圧の象徴なのかなと思っています。
バッキンガムはリチャードの女性としての部分を初めて認めた人だけども、今回のやり方はそうでない部分も含めた今のリチャードの根底を否定してしまったように思えました。

 

あと、選択肢があるとしても、この時代に女性として生きることを選ぶって現代で考えられないくらいの抵抗があるんだろうなとも思います。
女性は男性よりも劣ったものという考え方が当たり前で、国家や王家、夫の所有物として扱われ、夫が戦地に行っている間に敵方に囚われたり、夫が戦死したら夫の仇と再婚させられたりする人生とかやってらんないっすわ。
でも、男性も恋愛結婚したら部下に裏切られて鎖につながれて舅の首を渡されたり、敵に囚われて自分の子供の血染めのナプキンで顔をぬぐわれたりするから、男性も大変ですかね?

 

 

 

リチャードの性格

でもさ、さすがにリチャード、自分のことでいっぱいすぎじゃありませんかね。
やはり、初恋がベリーハードだった後遺症で10年以上、魂的に生者お休みしてた代償が大きいのでしょうか。
ちょっと怖いなと思ったのが、今回けっこうなすれ違いがあったのに、リチャード的にはもう解決したと思ってそうなところ。
バッキンガムの城から出るときにはバッキンガム全面信頼というか、全面依存状態に戻ってる感じがしました。
一方で、バッキンガムはティレルに指令をだしている。
今後、バッキンガムがリチャードの王位を脅かすようなことを画策していると知ったら、バッキンガムの真意がなんであれ、めちゃくちゃ傷ついて心のシャッター全部降ろして、バッキンガムの話を全く聞かずに処刑しちゃうんじゃないかと思いました。
彼、前にも自分を裏切った人を暗殺してしまいましたから…
もうちょっとリチャードが成長しないと、また同じ結末を迎えることになっちゃうのかなと思います。
コミュニケーションにおいて、100ゼロで物事を捉えないこと、ちゃんと人の気持ちを確認すること、自分にとって不都合な内容でもすぐに投げ出さないで、妥協点をみつけていくことなどについて向上する努力をしてほしいです。

できれば同じことを繰り返してほしくないよね。

ちょっと思ったこと

 


リチャードがここでもう一つ成長できるかどうかが今後のガムリチャの運命を左右するのかなという気がします。
ヨークでアンとコミュニケーション・チュートリアルを行って、経験値を積んでくれ!

 

 

 

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