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アラサー学生です。主にまんがの感想を書こうと思っています。

【レポ】インスタライブ2020年6月 菅野文先生・クワナ海先生③

引き続き、2020年6月26日、『薔薇王の葬列』作者である菅野文先生とアシスタントのクワナ海先生のインスタライブのレポートです。

めちゃくちゃ長くなりましたが、これで最後です。

 

前回までの記事

 

 

 

ク:(コメントを読み上げ)薔薇はひとつひとつ手描きなんですか?
ク:ですね。ほとんど描いててますね。たまに前のが使えそうみたいな…でもあんまりないですね。…描いちゃいますね、「描いた方が早いね」って毎回なりながら。
菅:そうですね。私もたまに自分で描いてる時がありますけど。
ク:あと、薔薇が特殊な演出に使われていることが、『薔薇王』ってって多いじゃないですか。
ク:(13巻某シーンを指しながら)このページとかね、この薔薇ね。

菅:そうだよね、これは書いたよね、全部ね。
ク:薔薇は効果的な演出として出てくることが、すごく多いのでやっぱり一個一個大事ですねって描いてます。
菅:クワナさんがもとを書いてくれてトーンで私が処理していくことが多いので、わりと二人の手が入っている感じです。さっきのページは特にね。
ク:「そことその後のページは大事だから、大事だからね」って言われて(笑)
菅:そう、そうなんですよね。
ク:「分かりました、それは大事だな」と思って書きました。
菅:背景が主役のページが多いので、そこはやっぱり手書きじゃないとダメですよね。人間と同じくらい大事だから。時間がなかったりで、コピペしたり素材使ったりするのはそれはそれでいいと思うし、私も素材は使いますけど、すごく大事なところはお金を払ってアシスタントさんに気合を入れて書いてもらうって言うのが。
私が描くよりいいんですよね。アシスタントさんの方が背景に本気で手を入れられるので。私は人を書くのが一番本気でやっているから、背景を描くのはプロではないので。昔はアシスタントやってた時もありましたけど。
クワナさんはこの時代の背景はありなのかとか、ちょっとここにあるのおかしいんじゃないかとか話し合いながら一緒に描いてくれているのですごく助かります。
ク:13巻はバッキンガムとリチャードが「兄上が使っていた館がある」って行った先で鍵をどうしようかってなった時に、「だいたいドラクエだと鍵は箱か壺を壊したらありますよ」って(クワナ先生が提案して)。
菅:そういうのは全部話し合いながらやってるんですよ。どこにあるのが自然かなとか。一人だと結構難しいですね。一緒にやってくれる人がいるから『薔薇王』はつくれているということでございますね。
ク:人物の気合がすごいので背景も手は抜けないと言うか。時代が現代じゃないので何があってどこにいるのかが分からないといけないですね。
菅:一個一個この時代のこれどういうのなんだろうって調べるのがすごく大変でしたね。やりながら知っていったってところもあるので。1~2巻あたりは今見ると直したいところがところがちょっとある(笑)時代考証的に間違いかなっていうところが(笑)
ク:実在していないものも多いですからね。
菅:(コメントを読み上げて)とりあえず樽をかくという話を聞いてから樽には着目しています。
ク:家の外に樽が置いてあるという。
菅:そうそう、樽はね。便利ですよね(笑)
ク:(コメントを見て)お風呂。お風呂は資料がありましたね。
菅:ちょっとセクシーな使われ方をしてましたからね、当時のお風呂は。

 

ク:(コメントを読み上げて)衣装はどうやって考えていますか?
菅:衣装は15世紀の絵とかを見ながら。ちょっと今風にしているけど、その時代に絶対ないものは描かないようにしています。ただ、着方もめんどくさいところがあるので、あんまりそのまますぎると大変かなと思って、ちょっと省略してる部分もあります。紐で結んだりするのめんどくさいなってなるので。脱ぐシーンも本当はもっと時間がかかってると思います。勢いで脱いでみたいに描いてますが、たぶんめっちゃもたもたしながら脱いでると思います。一人で脱げなかったりするから。
ク:ボタンがないから。
菅:ボタンはちょっとはあるけどほとんどないから。

 

菅:(コメントを読み上げて)シェイクスピアの作品で一番好きなのは『リチャード三世』でしょうか?
コリオレイナス』というのがすごく好きで、最初にそれを好きになっているので『コリオレイナス』は思い入れあります。それと『リチャード三世』の二つが一番好きかな。『ヘンリー六世』も結構思い入れがあって、『ヘンリー六世』は別枠で好きみたいなところがありますね。すごくキャラがいろいろいて、何度も読むとおもしろい話で。アレンジし甲斐があるというか。『リチャード三世』はそのままですごくおもしろい話。『ヘンリー六世』は私は演出家じゃないけど、演出しがいがあるみたいな感じがある。
ク:『薔薇王』は『ヘンリー六世』と『リチャード三世』をつなげて描いている作品ですよね。
菅:『ヘンリー六世』と言っても私が書いている部分はすごく後の方なのでその前にいろいろある。ぜひ読んでみてください。すごく長いんですよ。

 

菅:(コメントを読み上げて)ひとつの作品が終わってから次の作品に行く期間は構想期間ですか?
菅:前の作品を描いている間に(次の作品を)考えていないと間が空きすぎてしまうので。だいたい作家さんはみんな前の作品が終わりそうになったら次の作品考えている感じだと思います。

 

菅:(コメントをみて)1stヘンリー会いたいですね。1stヘンリーおもしろいですよね。私も最初のヘンリーのキャラクターおもしろいなと思って。不思議なキャラですよね。あんまりいないというか。複雑なキャラだから。ぱっと見はイケメンの優しい人にみえるけど、複雑な人だからいろいろ深読みして読んでもらえるといいと思います。

 

菅:(コメントを読み上げて)『薔薇王』が終わらないでほしいです。リチャードの日常を観ていたい。
菅:まあ、明らかに1巻のびてます(笑)16巻ぐらいで終わるとかいってたんだけど。ちょっとのびてます。その後も外伝みたいなものをやってほしいという秋田書店の圧がすごいのでやると思われますけどね。
私も『薔薇王』終わってほしくなくて、ちょっと前まですごい悲しいなと思っていたんですが、今腹をくくって最後までしっかり描こうというモードになってきました。終わりが見えてきちゃって、すごいさみしかったけど。まだ、しばらくいろいろ楽しみが続くと思うので期待してもらいたいです。そんなにさみしいことばかりじゃないですよ、きっと。インスタライブも、三か月連載が休みなのでその間にもう一回くらいやりたいな。リクエストあれば私か担当さんのツイッターとかに言ってもらえれば。三か月の間になにかやりたいと思ってているので。みんなでなにか楽しめたらいいですね。私は原稿やってるんですけどね、ずっと。全然休みじゃない、全く休みじゃない(笑)
ク:確かに、今月連載は…
菅:ないけど、一緒に仕事しましたよね、普通にね(笑)

 

 

 
菅:(コメントを読み上げて)『百合王の葬列』みたいです。
菅:おもしろい、『百合王の葬列』の葬列ってなんだろう。フフフ
ク:性別逆転してってことじゃ?
菅:なるほどね。(コミックスの特典ペーパーで)前に描いたね。いいかもね、女の子描くのおもしろいかもね。
ク:エドワードお兄ちゃんがすごいゴージャスな女の人になりそう。
菅:そうだね、エドワード兄ちゃん描いてない。すごい巻き毛のすごい人になりそう。
ク:ゴージャスな女性になりそう。
菅:(コメントをみて)ドリル巻き毛ね、ちょっとそういう感じありますよね。エドワード兄上、ジェーンとどっちがすごいんだろう。ジェーンを超えるかもしれませんね。
ク:ジェーンもジェーンで男になったらえらいことに。彼女100人いる人みたいな。
菅:ほんとだ、魔法使い…ヤバイ奴になりそう。それでナンパ講座みたいなのを森の小屋で開いている(笑)
ク:怖い(笑)男の子を集めて、ナンパ講座をやって、薬を…
菅:怖い!だめだ!ジェーンだめだ、男にしちゃうと。
菅:(コメントをみて)不倫屋敷(笑)おもしろい、おもしろいですね。不倫屋敷。


菅:(コメントを読み上げて)キャラクターの描き方講座。おもしろいですね。
ク:おもしろいですね。
菅:わかるのかな、講座で。でもおもしろいですね。

 

菅:(コメントを読み上げて)チームあの世がどうなってるか知りたいです。
菅:チームあの世は…フフフ…楽しくやってると思いますよ。ちょっといろいろ罰をうけながらね。

 

ク:(コメントを読み上げて)仕事場みたいで楽しい。


菅:(コメントを読み上げて)のどぼとけ講座
菅:謎の講座ですね(笑)

 

(ラスト5分に差し掛かる)

菅:最後にききたいことありますか?
菅:(コメントを見て)みんなのモーニングルーティン…答えるのに時間がかかる…今思い浮かばない。
菅:(コメントを見て)美形ランキング…でもまあ、みんな美形ですね。
菅:(コメントを見て)キャサリン?キャサリンってバッキンガムの妻か。まあ、バッキンガムの妻は本編にはでませんよね、本編には。なるべくシェイクスピア描いてないことは描いてないようにしてて。いるはいますけどね。
菅:(コメントを見て)リチャードの髪の色は黒なんだけど、紫っぽい色で塗っています。カラー塗る時に真っ黒にしちゃうとあれなので。リチャードは紫気味の黒で、バッキンガムは青っぽい黒で、ケイツビーは茶色っぽい黒で。みたいな感じでかえて色を塗っています。
菅:(コメントを見て)リチャードの眼は 片方が黒で片方がシルバーというかグレーというか。13巻は赤にした。たまにカラーで赤にしてます。
ク:そこはやはりカラー映え?
菅:うん。
菅:(コメントを見て):ラストは…決まってます。決めました。でもわからない。描いているうちに本当に変わる時あるので。エドワード王子もラストまでああいう風にするかわかんなかった感じだったので。いまのところの予定みたいなところはありますけど、本当に最後までわからない。

 

菅:クワナさんが今連載をはじめました。ぜひみてみてください。
強めの女の人と年下の男みたいな組み合わせが多いので。好きな方はぜひぜひ。
クワナさんこれからもどんどん精進していい作家さんになる予定なので応援してあげてほしいです。

 

なんと2020年6月27日現在、一話が無料公開中です!

 

 

ク:インスタグラムに祭壇の写りきらなかった祭壇の全体をのせる予定です。

 

 

菅:インスタライブは三か月のうちにまたやる予定です。予定はツイッターになるべく早めにあげます。金曜日でいいのかな?ツイッターとかにふわっと言ってくれれば検討します。あと話してほしことも言ってもらえれば。ではこの辺で。よい週末を。即位記念日にやれてよかったです。

 

 

 

 

 

以上で今回のインスタライブのレポートは完了です。

終始、菅野先生とクワナ先生の仲のよさ、信頼関係がうかがえるライブで聞いていてめちゃくちゃ楽しかったです。

『薔薇王』おけるクワナ先生のお力の大きさを知ることができました。

キャラクターに対する突っ込みあり、作品に対する熱い思入れを語って下さるターンあり、今後のイベントの示唆ありでファンにとってはほんとうに貴重な情報に満ち溢れた回でした。

菅野先生は本当にファンのことを大切に思ってくださるのを言葉の端々に感じます。

あと、やっぱり先生にダイレクトにコメントが送れて、それに先生が反応してくださるって、私は本当に嬉しいです。

本当にどうもありがとうございます。

 

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